摂食試験によって判明した天蚕(ヤママユ)の食性と適性飼料樹

レコードナンバー
622179
論文タイプ
学術雑誌論文
ALIS書誌ID
ZZ20000397
NACSIS書誌ID
AA11542306
本文言語
ja
著者名
寺本 憲之
誌名
滋賀県農業総合センター農業試験場研究報告
別誌名
Bulletin of the Shiga Prefecture Agricultural Research Center Agricultural Experiment Station
発行元
滋賀県農業総合センター農業試験場
巻号ページ
41号,p.32-52(2001-03)
ISSN
13470035
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抄録
天蚕の野外における食樹調査と室内における摂食試験による飼料適性調査を滋賀県において実施した. 野外調査によって,ブナ科に属するナラガシワとバラ科に属するカマツカの2種を天蚕食樹として新しく記録した.また,室内調査によって,ブナ科に属するイチイガシ,イタグリ,シイグリおよびブナ,カバノキ科のイヌシデ,クマシデ,アカシデ,サワシバ,ヤシャブシおよびシラカンバ,ヤマモモ科のヤマモモ,ニレ科のムクノキ,バラ科のヒメリンゴおよびアンズ,そしてマンサク科のアメリカフウおよびフウ,合計16種を新室内飼育記録として追加した.今回の新記録を追加して天蚕の食樹記録の整理検討を行ったところ,野外食樹記録が13種,室内飼育記録が19種,併せて,天蚕幼虫が摂食してほぼ正常に成育できる樹種は32種と判断された.摂食試験の結果から,天蚕の最適性飼料樹としてクヌギ,アベマキ,アラカシ,ブナ(ブナ科)およびアメリカフウ(マンサク科)の5種を選定した. 以上の結果と既知食樹記録を総括して天蚕の食性に関する再検討を行ったところ,天蚕はブナ科に属する植物を中心に食するが,植物分類学上から考察すると,ブナ目群(ブナ目ブナ科・カバノキ科,ヤナギ目ヤナギ科,イラクサ目クワ科・ニレ科)およびバラ目群(バラ目バラ科,マンサク目マンサク科,ムクロジ目カエデ科)の2植物目群,すなわち植物分類学上で類縁関係が高い,まとまった植物群に属する植物の葉を食することが明らかになった.また,天蚕の食性には個体あるいは系統変異があり,個体選抜による育成によって,本種の食性は上記の植物科に属する植物の範囲内で拡張できる可能性が示唆された.
引用文献数
23
登録日
2011年3月5日
収録データベース
AGROLib ; JASI