ブドウ新品種‘シャインマスカット’

レコードナンバー
752861
論文タイプ
学術雑誌論文
ALIS書誌ID
ZZ20011205
NACSIS書誌ID
AA11651673
本文言語
ja
著者名
山田 昌彦 ; 山根 弘康 ; 佐藤 明彦 ; 平川 信之 ; 岩波 宏 ; 吉永 勝一 ; 小澤 俊治 ; 三谷 宣仁 ; 白石 美樹夫 ; 吉岡 美加乃 ; 中島 育子 ; 中野 正明 ; 中畝 良二
誌名
果樹研究所研究報告 = Bulletin of the National Institute of Fruit Tree Science
別誌名
果樹研報 ; Bull. Natl. Inst. Fruit Tree Sci ; Bulletin of the NARO Institute of Fruit Tree Science
発行元
農業技術研究機構果樹研究所
巻号ページ
7号,p.21-38(2008-04)
ISSN
13473549
全文表示
PDF(8721KB)
抄録
1. ‘シャインマスカット’は、果樹試験場安芸津支場(現 農研機構果樹研究所ブドウ・カキ研究拠点)において、1988年に安芸津21号に‘白南’を交雑して得た実生から選抜された、肉質が崩壊性で硬く、マスカット香を持つ黄緑色の大粒ブドウである。1999年よりブドウ安芸津23号の系統名を付けてブドウ第9回系統適応性検定試験に供試し、全国30か所の国公立試験研究機関において特性を検討した。2003年9月に農林水産省育成農作物新品種命名登録規程に基づき、‘シャインマスカット’と命名、ぶどう農林21号として登録された。また、2006年3月に種苗法に基づき登録番号第13,891号として品種登録された。2. 樹勢は強い。長梢剪定では花穂の着生は良く、平均1.6花穂/新梢着生した。短梢剪定においても花穂着生率が高かった。満開時と満開10~15日後にジベレリン25ppmに花(果)穂を浸漬処理することにより無核化生産できる。開花前にストレプトマイシン200ppmを散布すると、無核化はさらに安定する。無処理の有核栽培では、満開時に花穂整形すると、長梢・短梢剪定樹とも新梢の強さにかかわらず結実が良く、適度に着粒した。花穂整形労力は‘巨峰’なみ、摘粒労力は‘巨峰’に近い程度と評価された。3. 果実成熟期は‘巨峰’とほぼ同時期である。果粒重は有核栽培では10g程度であるが、満開10~15日後にジベレリン25ppmに果房浸漬処理を行うと、1g程度増大する。また、育成地における無核化栽培では、有核栽培と比べて2.4g増大し、平均12.4gであった。裂果性は非常に低く、系統適応性検定試験では‘巨峰’よりやや裂果しにくかった。‘巨峰’より脱粒しにくく、日持ちも長かった。糖度は‘巨峰’と同程度であり、育成地で18%程度であった。酸含量は‘巨峰’より0.1g/100mLあまり低く、育成地では0.4g/100mL程度であった。果肉特性は崩壊性で、噛み切れやすくて硬く、マスカット香を呈し、食味が優れる。渋みは一般に感じられない。4. 東北以南の‘巨峰’栽培地域における栽培に適する。耐寒性は‘巨峰’なみと評価された。べと病・晩腐病・うどんこ病については、ある程度の抵抗性があり、‘巨峰’を対象とした防除により栽培可能と見込まれる。しかし、黒とう病には強くないため、降雨の多い地域では簡易被覆またはハウス栽培が望ましい。
引用文献数
13
登録日
2010年7月7日
収録データベース
JASI ; AGROLib