ブルガリア南西部の乳加工体系

レコードナンバー
810697
論文タイプ
学術雑誌論文
ALIS書誌ID
ZZ00014790
NACSIS書誌ID
AA11125739
本文言語
ja
著者名
平田 昌弘 ; Yotova M. ; 内田 健治 ; 元島 英雅
誌名
ミルクサイエンス = Milk science
発行元
日本酪農科学会
巻号ページ
59巻・3号,p.237-253(2010-12)
ISSN
13430289
全文表示
PDF(1545KB)
抄録
本稿では、ブルガリア南西部の乳加工体系とその特徴を明らかにし、バルカン半島のブルガリアにおける乳加工発達史を論考した。ブルガリアの乳加工体系は、発酵乳系列群と凝固剤使用系列群の乳加工技術が確認された。ブルガリアの発酵乳系列群は西アジア由来の乳加工技術である可能性が極めて高く、冷涼性ゆえに水分含量が比較的高くても保存が可能なため、酸乳やバターの段階で加工が終了してしまうように変遷していた。塩水漬けにしてチーズの熟成をおこなうバルカン半島ブルガリアのチーズ加工技術は、熟成をおこなわない西アジアと熟成に特化したヨーロッパのちょうど中間的な位置にあり、ヨーロッパのチーズ加工の土台を形成した可能性が高いと考えられた。更に、レンネット利用がチーズ加工にではなくチャーニングによるバター加工用の生乳凝固に利用されていることから、もともとのレンネット利用は先ずバター加工に用いられ、後にバター加工からチーズ加工へと転用されていった可能性が高いと考えられた。これらのことから、レンネット利用によるチーズ加工の起原地の一候補地がバルカン半島であることが示唆された。このように、ブルガリアの乳文化は人類の乳加工史において極めて重要な乳加工技術を今日に伝えている。これらのブルガリアの重要な乳加工技術も、社会主義体制への移行・崩壊、EU加盟を通じて、経営的に成り立たず、多くが消え去ろうとしている。ブルガリアは、EUという巨大経済圏に加盟したまさに今、自国の農業生産や文化の継承のあり方について問われている。
引用文献数
19
登録日
2012年12月3日
収録データベース
JASI ; AGROLib