蹄底潰瘍の原因に迫る。蹄骨沈下説は本当か?

レコードナンバー
920669
論文タイプ
学術雑誌論文
ALIS書誌ID
ZZ20038563
NACSIS書誌ID
AA12483687
論文タイトル(英)
Trying to find the cause of the sole ulcers of cows. Is it the true the sinking of the pedal bone?
本文言語
ja
著者名
石川 高明
誌名
産業動物臨床医学雑誌 = Japanese journal of large animal clinics
発行元
日本家畜臨床学会
巻号ページ
8巻・3号,p.162-171(2017-11)
ISSN
1884684X
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抄録
ホルスタイン種経産廃用牛の屠畜された蹄を用いて,削蹄前の蹄底,削蹄後の蹄底,脱蹄後の蹄鞘内角質,蹄真皮,蹄骨を観察した。蹄骨後縁に骨増殖を認めた例では,蹄底潰瘍になっていたもの,蹄底出血になっていたもの,蹄底に異常を認めなかったものが存在した。それらはすべて,骨増殖に一致した場所の蹄真皮が同様の形態に変形していた。また,蹄真皮の変形に一致して蹄鞘内の角質は変形し,変形は「下に凸」の状態であった。このため,骨増殖直下の部位で蹄底角質は薄くなっていた。これらの形態が極めて類似していたことより,骨増殖による蹄底出血は,蹄底潰瘍の初期病変と考えられた。さらに,骨増殖による蹄真皮の変形とうっ血は,蹄底出血がなくとも蹄底潰瘍の潜在病変と考えられた。蹄骨の形態学的観察から,蹄鞘内の角質変形の原因は,蹄骨の沈下ではなく蹄骨の骨増殖(外骨症)によるものと考えられた。蹄球角質が伸長して蹄底で段差形成していた蹄底潰瘍例では,段差に一致して蹄鞘内の角質が変形し,変形は「上に凸」の状態であった。「上に凸」の角質に一致した場所に蹄真皮の損傷を認めた。蹄底の段差によって蹄底角質が変形をきたし,変形の部分で蹄骨に挟まれた真皮が圧迫され損傷を受けたことが明らかであった。蹄底に段差がなく,蹄骨後縁の骨増殖もなかった蹄において,蹄底出血を認めたものがあった。この蹄の蹄骨後縁付近には骨吸収像が見られ,吸収をまぬがれた部分の骨が先鋭化し,その場所に一致した蹄真皮に出血が認められた。これは,先鋭化した骨の部分に地面からの圧力が集中したためと考えられた。以上の事より,蹄骨後縁の骨増殖(外骨症),蹄底における角質の段差,骨吸収による蹄骨底面の先鋭化は,いずれも蹄底潰瘍の要因であることが考えられた。
引用文献数
9
登録日
2018年4月20日
収録データベース
AGROLib ; JASI