日本の竹林のバイオマス炭素蓄積量、吸収量の算定手法の開発

日本の竹林のバイオマス炭素蓄積量、吸収量の算定手法の開発

タイトル日本の竹林のバイオマス炭素蓄積量、吸収量の算定手法の開発
要約森林計画データを活用して全国の竹林のバイオマス炭素蓄積量と吸収量を推定する手法を開発しました。
担当機関(独)森林総合研究所
区分(部会名)森林
背景・ねらい森林の炭素吸収のはたらきが注目されています。竹林も森林の一つで、近年は放置竹林の拡大が問題になっています。しかし、竹林の炭素の蓄積量や吸収量はよく分かっていませんでした。その一番の問題は、竹の地下茎や根の量がよく分かっていない点にあります。このため、福島県から鹿児島県までの18府県21地点で竹の稈直径やバイオマスを調べ、森林計画データを活用して全国の竹林のバイオマス炭素蓄積量を推定する手法を開発しました。この手法をもちいると、森林計画データを利用して全国の竹林バイオマス炭素吸収量をもとめることができます。
成果の内容・特徴

竹林の稈断面積合計とバイオマスの関係

竹林の胸高(地上1.3m)の稈(竹の幹)断面積合計と地上部バイオマス、地下部バイオマスとの間にはそれぞれ正の相関関係がありました(図1左)。ただ、地上部に比べ、地下部の増加には頭打ちの傾向が見られます。このため、地下部/地上部バイオマス比は、胸高稈断面積合計が大きい竹林では小さくなりました(図1右)。

単位面積当たりの竹林バイオマス

全国で系統的に実施されている森林資源モニタリング調査の結果から、竹林の定義(平成18年度末森林資源現況調査*)を参考に、植被率(土地面積に対して植物が被覆している面積の割合)と優占樹種にもとづいて、竹林と見なされる163林分を選んでバイオマスを推定しました。単位面積当たりの竹林バイオマスは245.8±149.3Mg(Mgは重さの単位で、トンと等しい)ha-1(平均値と標準偏差)でした。細かく見ると、放置竹林(図2左)は管理竹林(図2右)よりもバイオマスが大きく、また、タケの種類によってもバイオマスが異なり、モウソウチク林はマダケ林やハチク林よりも大きいことが分かりました。

竹林のバイオマス炭素蓄積量、吸収量の算定

この単位面積当たりの竹林バイオマスに、森林資源現況調査などで抽出された都道府県別の竹林の面積をかけ合わせ、さらに炭素係数をかけることで、都道府県別に竹林のバイオマス炭素蓄積量を推定できます(図4赤枠内)。また、吸収量は、森林資源現況調査などの竹林面積が更新されるので、異なる時点の炭素蓄積量との差を求めて推定できます。

算定精度の向上のために

竹林バイオマスは竹林の管理状態(放置、管理)やタケの種類によって異なることから、炭素蓄積量や吸収量の算定精度の向上には、そうした竹林の情報が必要です。また、森林簿の竹林面積より、写真判読で得られた竹林面積の方が大きい(野田ら、2008)という報告もあることから、竹林面積の把握精度の改善も必要です。

*森林簿など、地域森林計画等の策定時の資料にもとづいて集計されています。

本研究は、林野庁の「森林吸収源インベントリ情報整備事業」、および農林水産省の新たな農林水産政策を推進する実用開発事業「タケ資源の持続的利用を目的とした管理技術の開発」による成果です。
具体的データ
図1
図2
図3
図4
研究担当者清野 嘉之(温暖化対応推進拠点)、竹内 学(温暖化対応推進拠点)、鳥居 厚志(四国支所)、奥田 史郎(四国支所)、野田 巌(関西支所)、金森 匡彦(株式会社パスコ)
発行年度2009
収録データベース研究成果情報

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