黒ボク土バイオマスリンを測定するためのクロロホルムくん蒸改良抽出法

黒ボク土バイオマスリンを測定するためのクロロホルムくん蒸改良抽出法

タイトル黒ボク土バイオマスリンを測定するためのクロロホルムくん蒸改良抽出法
要約クロロホルムくん蒸抽出法において土壌と抽出液の比率を従来の1:20から1:40に変えると安定して高い無機リン回収率が得られ、バイオマスリンの測定精度が高くなるため、黒ボク土への適用が可能になる。
キーワードバイオマスリン、クロロホルムくん蒸抽出法、黒ボク土、無機リン回収率
担当機関同 同部 上席研究官
(独)農業技術研究機構 北海道農業研究センター 生産環境部 土壌特性研究室
連絡先011-857-9232 / pokarin@affrc.go.jp / pokarin@affrc.go.jp
区分(部会名)北海道農業
分類科学、参考
背景・ねらいバイオマスリンは畑土壌の化学的診断法を補完しうる生物的診断基準になると考えられる。しかし、リン酸吸着能の高い黒ボク土のバイオマスリンを一般的に用いられているクロロホルムくん蒸抽出法で測定すると、無機リンの回収率が低く、測定精度が劣るため、黒ボク土への適用が難しい。
そこで、黒ボク土のバイオマスリンの測定を可能とするために、クロロホルムくん蒸抽出法の改良を試みる。
成果の内容・特徴
  1. 黒ボク土の表土を充填した枠圃場から小麦収穫後に土壌を採取し、クロロホルムくん蒸抽出法における土壌と抽出液の比率(土:液比)を従来の1:20から1:40、1:80とすると、抽出される無機リン量は増加し、土:液比1:40の場合には1:20の約1.5倍以上となり、くん蒸処理をした土壌から抽出される無機リン量とくん蒸処理をしていない土壌から抽出される無機リン量の差、すなわち菌体由来の無機リン量が増加するために無機リン回収率も高くなる。しかし、土:液比1:80の場合には、菌体由来の無機リン量がマイナスとなり、さらに無機リン回収率も1を越えることから、不適当と考えられる(図1)。
  2. 黒ボク土の表土を充填した枠圃場からインゲンマメ播種前から収穫後までの間に5回土壌を採取し、クロロホルムくん蒸抽出法で土:液比を1:40として測定すると、添加無機リンの平均回収率は土:液比1:20の約1.5倍、変動係数が約半分と安定した高い回収率が得られ、バイオマスリン測定値の精度が高くなる(表1)。
  3. 腐植質黒ボク土では、トウモロコシ畑やヤナギ植栽林として利用している土壌よりも有機物の還元量の多い草地土壌のバイオマスリンが高く(図2)、淡色黒ボク土のダイズ栽培土壌では、バーク堆肥連用区よりも厩肥施用区でバイオマスリンが高い(図3)。また、添加無機リン回収率は、いずれも50%弱からそれ以上と高い。
  4. 以上の結果より、クロロホルムくん蒸抽出法の土:液比を従来の1:20から1:40にすることで、黒ボク土のバイオマスリンの測定精度が高くなり、黒ボク土への適用が可能になる。
成果の活用面・留意点
  1. 土壌リン酸レベルが低い上に腐植の多い土壌では、比色に使用する液量が多く、沈殿を生じやすいため、測定精度に問題があるため、検討が必要である。
  2. 北海道農研内の黒ボク土で得られた結果であり、他の黒ボク土での検討が必要である。
具体的データ
図表
図表
図表
図表
予算区分交付金
研究期間2002~2004
研究担当者杉戸智子、吉田光二
発行年度2002
収録データベース研究成果情報

研究成果情報アクセスランキング

Copyright 2017 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat