未熟土客土水田の肥沃度指標としての土壌微生物バイオマス窒素量

未熟土客土水田の肥沃度指標としての土壌微生物バイオマス窒素量

タイトル未熟土客土水田の肥沃度指標としての土壌微生物バイオマス窒素量
要約未熟土客土水田では土壌窒素発現量は年毎に増加し、4~5年で一般田に近くなるが、土壌微生物バイオマス窒素量は依然として少なく、特に生育後半の水稲の凋落が著しくなる時期に急減する。
担当機関三重県農業技術センター 生産環境部 土壌保全担当
連絡先05984-2-6361
区分(部会名)関東東海農業
専門土壌
対象稲類
分類指導
背景・ねらい公害防除特別土地改良事業のため第三紀鮮新世の丘陵地を崩した山土を客土し、造成した水田がある。有機資材として牛ふん堆肥2t/10aを造成時および2年後に施用している。水稲の生産力は年次にともなって高まるものの不安定で低く、特に、有効茎歩合が低く、1穂籾数が少ない等生育後期の凋落が著しい。土壌窒素発現量が一般田と同程度になってもなお、一般田の1.5倍の施肥や5回もの追肥を行っており、肥沃度回復程度の適切な判定法が求められている。そこで、水稲の生育時期毎の土壌窒素発現量の変化と共に、土壌中での窒素代謝の中心となる微生物バイオマス量の変化を測定した。
成果の内容・特徴
  1. 未熟水田土壌では培養発現窒素量と土壌微生物バイオマス窒素量の間には高い相関性を有するが生育時期によりその傾きが異なる。(図1)
  2. 生土30℃4週間培養発現窒素量は年次と共に増加し、4~5年経過すると一般田に近くなる。一方、土壌微生物バイオマス窒素量も年次と共に増加するが、その程度は小さく、特に、生育後期に一般田に比べ著しく減少する(図2)。このため、未熟土客土水田における後期凋落型の水稲の生育特性は培養窒素発現量の推移よりも土壌微生物バイオマスの推移の方が良く対応する。
  3. 堆きゅう肥の一時期のみの多量施用では水稲の収量は高まらなかった。秋~冬施用の堆きゅう肥は生育前期のバイオマス量を高めるが、その効果は生育後期まで持続しないことと対応している(図3)。以上のように、未熟水田土壌の肥沃度の評価には従来の培養窒素発現量とともに、土壌微生物バイオマス量の検討も必要である。
成果の活用面・留意点未熟土壌を客土、造成した水田において、土壌の生物性の面から土壌の肥沃度回復程度を知る資料となる。
具体的データ
図表
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予算区分国補
研究期間1996~1998
発行年度1996
収録データベース研究成果情報

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