「黄金柑」より大きく、果皮の滑らかな、さわやか味のかんきつ新品種「湘南ゴールド」

タイトル
「黄金柑」より大きく、果皮の滑らかな、さわやか味のかんきつ新品種「湘南ゴールド」
要約
「湘南ゴールド」は「黄金柑」に「今村温州」を交配し、育成したもので、4月に成熟する晩生かんきつである。果実は「黄金柑」より大きく、果皮が滑らかで薄い。「黄金柑」と同様の香りを有し、さわやかでフレッシュな良食味品種である。
担当機関
神奈川県農業総合研究所 根府川試験場
連絡先
0465-29-0506
区分(部会名)
果樹
区分(部会名)
関東東海農業
専門
育種
研究対象
果樹類
分類
普及
背景・ねらい
神奈川県は北限の温州みかん中心の産地であるが、このところの消費の低迷による価格の下落は産地の崩壊になりかねない。かんきつ経営を安定化するため年間を通して、新鮮で、多様なかんきつ類を県民に生産・供給するため育種に着手した。ここでは海岸沿いの特産品である「黄金柑」の風味を有し、大玉果で剥皮可能な晩生かんきつを育成しようとした。
成果の内容・特徴
  1. 昭和63年に「黄金柑」に「今村温州」を交配して得られた実生から選抜・育成した。平成12年7月3日に品種登録を出願した(品種登録出願番号第12615号)。
  2. 樹は小喬木性で、樹姿はやや直立性を示し、樹勢は「黄金柑」に比べて強く、有刺であるが、結果にともない、トゲも短くなる。隔年結果性は「黄金柑」とほぼ同様に強い。
  3. 果実は母親の「黄金柑」によく似ているが、果実の初期肥大は「湘南ゴールド」で良く、収穫時期には果実が1階級大きく、S級以上の果実割合が明らかに高い。無摘果の「黄金柑」の平均果重56gに比べ、「湘南ゴールド」は77gである(図1、図2)。
  4. 「黄金柑」は果皮の凹凸が大きく粗いのに対し、「湘南ゴールド」は成熟とともに果面が滑らかになり、果皮は薄くなって、成熟期には柔らかくなり、はく皮しやすい。
  5. 果実が大きくなった分、糖度は幾分低下するが、11~12%と十分な甘味を示し、柔軟多汁で、風味があり、果肉が柔らかい。また、酸含量の低下がやや早い(図3、図4)。
  6. 果実の成熟期は4月であるが、やや酸味が強いため、収穫後1か月程度貯蔵してから食べると、風味も良くなる。また、種子も1果当たり4個と少ない。
成果の活用面・留意点
  1. 「湘南ゴールド」は「黄金柑」に比べて果実がやや大きく、果皮は滑らかで剥皮しやすいこと、さわやかな香りがあることから、若者好みのカンキツとして販売戦略を立てる。
  2. 4月に収穫し、5月出荷をねらうことから、樹上越冬の可能な海岸沿いの地域が適地と思われる。内陸部への導入に当たっては、南傾斜の温暖な場所を選定する必要がある。
  3. 7月下旬までには果実の大小が明らかになるので、その時期に極大果、小果の摘果を一度に行い、仕上げ摘果とする。また、隔年結果性が強いので、枝別、樹別摘果が望ましい。

具体的データ
図表
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研究課題名
神奈川らしい特産品の開発
予算区分
県単
研究期間
1995~2000
発行年度
2000
収録データベース