各種バイオマスの全炭素含有率推定法

各種バイオマスの全炭素含有率推定法

タイトル各種バイオマスの全炭素含有率推定法
要約日本標準飼料成分表、食品成分表の栄養素データを用いてバイオマスの全炭素含有率(T-C)を一定の精度で推定する方法を開発した。推定法を用いて地域で発生するバイオマスのT-Cを補完することで、地域での炭素循環の推定制度を改善できる。
キーワード
日本標準飼料成分表、食品成分表、全炭素含有率(T-C)、炭素循環
担当機関(独)農業工学研究所 地域資源部 資源循環研究室
連絡先029-838-7508 / naka0310@affrc.go.jp / naka0310@affrc.go.jp
区分(部会名)農業工学
分類普及
背景・ねらい炭素はエネルギー源であると同時に、排出形態によっては地球温暖化原因物質(CO2、CH4)や水質汚濁の原因物質になる。そのため、地域の炭素循環を明らかにすることにより、地域内でのエネルギー賦存量や環境負荷量をある程度把握することが可能となるが、地域で発生する各種バイオマスの全炭素含有率(以後、T-Cとする)のデータは極めて少ない状況にある。そこで、日本標準飼料成分表(以後、飼料成分表とする)及び食品成分表には飼料や食品のみならず、食品産業副産物、農作物の非食部分等のバイオマスも多く記載されていることに着目し、両成分表の栄養素のデータからT-Cを推定する方法を提案した。また、推定値と実測値との比較から、提案した方法の有用性を明らかにした。
成果の内容・特徴
  1. 飼料成分表に記載されている栄養素のデータ、粗蛋白質、粗脂肪、NFE(可溶性無窒素物)、粗繊維、ADF(酸性デタージェント繊維)、NDF(中性デタージェント繊維)からT-Cを推定する方法を検討した。NFEと粗繊維を足した成分を可溶性糖分・デンプン、ヘミセルロース、セルロース、リグニンの各成分に換算(式(1)~式(4))した上で、化学組成や文献から求めた各成分のT-Cのデータ(表1)を用いて、各飼料のT-Cを推定した(式(5))。ADFのデータが記載されていない飼料については、式(6)、式(7)を用いた簡易計算法を用いた。
  2. 食品成分表に記載されている栄養素のデータ(たんぱく質、脂質、炭水化物)を用い、飼料の場合と同様にしてT-Cを推定した(式(8)、表2)。
  3. 1、2の推定法の妥当性を検証するため、飼料24品目、食品36品目についてT-Cを実測し、計算値との比較を行った。飼料に関しては、式(5)を用いた推定法では誤差10%程度、式(7)の簡易計算法では誤差15%程度の推定が可能であった(図1)。食品では、式(8)の推定法で誤差15%程度での推定が可能であった(図2)。
成果の活用面・留意点10%の誤差が許容される場合は式(5)の推定法、15%の誤差が許容される場合には式(7)及び式(8)の推定法を用いることができる。推定法を用い、地域で発生するバイオマスのT-Cデータを補完することにより、地域の炭素循環を比較的精度よく把握でき、その結果からCO2排出量、有機汚濁物質の水域への流入量等の環境負荷を類推できる。
具体的データ
図表
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予算区分委託プロ(バイオリサイクル)
研究期間2003~2005
研究担当者中村真人、柚山義人
発表論文
  1. 中村真人・柚山義人, 各種バイオマスの成分データベース整備, 農業工学研究所技報, 203, pp.57-80, 2005.

  2. 中村真人・柚山義人, 各種バイオマスの全炭素含有率の推定法, 農業土木学会資源循環研究部会発表論文集, pp. 1-8, 2005.
発行年度2005
収録データベース研究成果情報

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