漁船用機関へのバイオマス燃料の利用

漁船用機関へのバイオマス燃料の利用

タイトル漁船用機関へのバイオマス燃料の利用
担当機関独立行政法人水産総合研究センター水産工学研究所 漁業生産工学部 機械化研究室
連絡先0479-44-5945
区分(部会名)水産
専門漁船
対象その他・該当なし
分類調査
背景・ねらい
バイオディーゼル燃料(BDF)は、植物油脂などの再生可能な資源からつくられる軽油代替燃料であり、地域バイオマス資源の活用やカーボンニュートラルによる二酸化炭素の排出削減など環境に優しい燃料として注目されている。食用油脂の9割以上を輸入しているわが国では、年間50万tと推定される廃食用油を原料としたBDFの利用が現実的である。漁船機関への利用を想定して、BDF燃料の燃焼性能および排出ガス特性を機関実験から調べる。

成果の内容・特徴植物油脂類は、動粘度や引火点が高すぎるため、その主成分であるトリグリセリドとアルコールのエステル交換によって脂肪酸メチルエステル(BDF)に変換することで軽油代替燃料として利用可能となる。現在、最も普及している製法はアルカリ触媒を用いてBDFに変換する方法である(BDF1)。また、メタノールの超臨界状態を利用し触媒無しにBDF製造を行う装置も試作されている(BDF2)。廃食用油を原料として製造されたこれら2種類のBDFの燃料性状を表1に示す。供試燃料の写真を図1に示す。機関実験には、水工研機械実験棟に設備された単気筒ディーゼル機関(14.7kW/2200rpm)を用いた。機関の運転条件は舶用3乗特性に従った。それぞれの燃料油の排気ガス特性を図2に示す。機関回転数が2000rpm以上の高負荷条件では、BDFのCO排出濃度およびスモーク濃度が低減されていることから、BDF燃料は有害排出物を大きく削減できることが分かる。燃料消費率について図3に示す。容積換算の燃費率(L/kWh)は軽油・A重油に比較してBDFは大きくなった。一方、発熱量換算した燃費率(MJ/kWh)は軽油と同等の値を示す。この理由は、BDFは含酸素燃料であるためと考えられる。

成果の活用面・留意点
容積換算の燃費率が10%大きいことは、漁船機関の最大出力が10%低下することを意味する。機関の燃料系統部品への影響などBDFと材質の関係を耐久面から確認する必要がある。今回はBDF100%として機関実験を行っている。普及に向けては、軽油あるいはA重油にBDFを混合して用いるか否かの検討が必要である。


具体的データ
表1 供試燃料の性状
図1 燃料油の写真
図2 排気ガス特性
図3 燃費率
予算区分水産庁委託費
研究期間2004~2006
研究担当者長谷川 勝男
発表論文長谷川・小田・井原・青柳:高速機関におけるバイオディーゼル燃料の燃焼特性、第74回マリンエンジニアリング学術講演会、11-12(平成18年5月)
発行年度2006
収録データベース研究成果情報

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