未低利用海藻バイオマスの有効利用を図る

未低利用海藻バイオマスの有効利用を図る

タイトル未低利用海藻バイオマスの有効利用を図る
担当機関北海道立中央水産試験場 加工利用部 利用技術科
区分(部会名)水産
専門水産生物利用
対象藻類(顕花植物を含む)
分類研究
背景・ねらい
北海道には,新たな利活用が望まれる間引きコンブや廃棄・駆除されている雑海藻を含め年間9,000tもの海藻バイオマス資源がある。本研究では,これら海藻バイオマスに含まれ抗腫瘍・抗肥満作用等が期待されるフコキサンチンに着目し,酸・アルカリ処理で多糖類等を除去することにより,藻体中の濃度を高める濃縮方法を開発する。

成果の内容・特徴(1)乾燥させた間引きコンブを40倍量の0.1N塩酸溶液に浸漬後,同量の各濃度の炭酸ナトリウム溶液に浸漬を行い,多糖類等の除去率と藻体中のフコキサンチンの安定性について検討した。

(2)その結果,炭酸ナトリウム濃度が0~0.25%までは濃度依存的に多糖類等の除去率が増加し(図1),0.5%以上ではフコキサンチンの一部が分解していた(図2)。

(3)また,0.1N塩酸・0.25%炭酸ナトリウム処理による濃縮物は,処理前と比較して重量にして約5分の1,フコキサンチン含有量は13.6ppmから83.7ppmと約6倍となったことから(図3),フコキサンチンがこの条件で損失することなく濃縮されることを確認した。濃縮後,間引きコンブ(100g)の灰分は47.1gから2.0g,粗アルギン酸は13.2gから5.2g,粗タンパク質は12.7gから5.6g,粗繊維は5.8gから2.8g,マンニトールは8.9gから0.1g未満まで減少していた。

(4)さらに酸・アルカリ溶液の浸漬時間・液量などについて詳細に検討した結果,適切な酸・アルカリ処理条件を把握し,より効率的な濃縮方法(図4)を確立した。

成果の活用面・留意点
 間引きコンブ濃縮物を,共同研究機関である(独)中央水産研究所及び(独)畜産草地研究所に,機能性評価と鶏への給餌試験のために供与した。


具体的データ
図1 各濃度のアルカリによる多糖類等の除去率
図2 各濃度のアルカリによるTLC分析
図3 濃縮によるフコキサンチン含有量の変化
図4 濃縮物の調整方法
予算区分(独)中央水産研究所からの受託研究
研究期間2003~2005
研究担当者佐藤暁之(現 釧路水試加工部)、中央水産試験場 加工利用部 福士暁彦
発表論文佐藤・福士ほか;平成16年度日本食品科学工学会北海道支部大会講演要旨 9,2005年3月佐藤・福士ほか;平成17年度日本水産学会東北・北海道合同支部大会講演要旨64,2005年11月佐藤;北水試だより第72号19-21,2006年3月
発行年度2006
収録データベース研究成果情報

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