ナタネを核とした水田由来バイオマスエネルギー生産・利用シミュレーションモデル

ナタネを核とした水田由来バイオマスエネルギー生産・利用シミュレーションモデル

タイトルナタネを核とした水田由来バイオマスエネルギー生産・利用シミュレーションモデル
要約ナタネのエネルギー利用を核とした農耕エネルギーの自給計画を設計するに当たり、エネルギー自給率の目標設定値達成に必要となるナタネ栽培面積の経時的変化を推計して、計画の事前評価を支援することを可能とするシミュレーションモデルである。
キーワードナタネ、エネルギー利用、シミュレーション、モデル
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター 寒冷地バイオマス研究チーム
連絡先019-643-3510
区分(部会名)共通基盤
区分(部会名)バイオマス
区分(部会名)東北農業
専門作業技術
専門基盤技術(作業技術)
分類研究、参考
背景・ねらい水田転換作物の中でエネルギー利用が期待されるナタネの栽培を進めるためには、休耕田や耕作放棄地を活用した転換作物の輪作栽培を増やしつつ、その中にナタネを導入して増やしていくことが有効である。そこで、ナタネ油の一部を液体燃料として利用して投入化石エネルギーの一定割合を代替することを最優先目標に据え、将来のエネルギー自給率の目標設定値達成に必要となるナタネおよび他の転換作物の栽培面積の経時的変化を推計するシミュレーションモデルを作製し、推計事例を示す。
成果の内容・特徴
  1. 本モデルは、農業の現状や政策目標を反映するよう設計した(表1)。すなわち、今後、水稲栽培が徐々に減少し、減少分が転換作物(小麦、大豆、ソバ)の栽培に振り分けられ、それらの一部および耕作放棄地の一部を活用したナタネ栽培が増加する。一方で、休耕地は解消に向かうが、水田の耕作放棄は過去の傾向を維持して進行する等のフローを、時間軸を伴って扱うことができる。
  2. 本モデル(図1)の特徴は、ナタネ栽培面積の増加の推移を成長曲線(S字曲線)で描くことである。その方法は、S字曲線の形のナタネ栽培面積変化率を別に発生させ、それに調整可能な係数を掛けたものをナタネ栽培面積増加率とし、その値を用いて小麦、大豆、耕作放棄地の各面積からナタネ栽培に仕向けるフローを制御するものである。
  3. 転換作物が比較的バランスよく栽培され、ナタネ栽培の実績がある岩手県A町の現状を初期値に用い、一定条件の下で20年後にエネルギー自給率(転換作物への直接投入エネルギーの代替率)20%を達成することを最優先目標とした推計を行った。ナタネの単収を現状の100kg/10aから栽培技術の向上により年率1%ずつ増加すると仮定すると、ナタネは現在の16haから漸増し14年後に大豆を追い越し、20年後には約200haに拡大させる必要がある(図2)。
  4. 上記のシミュレーションにおいて同一の初期値を用い、ナタネ面積が小麦面積を越えない条件の場合は20年後のエネルギー自給率は約22%に、ナタネ面積が大豆面積を超えない条件の場合では約18%になる。水稲作を含めた場合は3%程度である(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. ナタネのエネルギー利用の方法は、ナタネ油の燃料利用技術(平成21年度研究成果情報)を前提とし、また推計例におけるエネルギー自給率20%の目標値は当該資料の内容に拠った。
  2. シミュレーションに用いる設定値は、対象地の実測値が得られる場合は置き換えて使用することによって、推計精度はより向上する。
  3. 作物別基礎エネルギーデータがあれば、本モデルを拡充することにより、ナタネ以外の水田由来バイオマスのエネルギー生産・利用シミュレーションも可能となる。
  4. 自治体がシミュレーション結果を得たい等の技術相談には、個別に対応する。
具体的データ
表1
図1
図2
図3
予算区分基盤
予算区分委託プロ(バイオマス)
研究期間2009~2010
研究担当者小綿寿志、野中章久、澁谷幸憲、金井源太
発行年度2010
収録データベース研究成果情報

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