林業バイオマスを効率的に集めて運ぶ機械の開発

林業バイオマスを効率的に集めて運ぶ機械の開発

タイトル林業バイオマスを効率的に集めて運ぶ機械の開発
要約造材作業と破砕作業の2工程の処理が可能なチッパー機能付きプロセッサ、及び林地残材の減容化が可能なバイオマス対応型フォワーダを開発しました。
担当機関(独)森林総合研究所 林業工学研究領域
(独)森林総合研究所 加工技術研究領域
(独)森林総合研究所 林業経営・政策研究領域
区分(部会名)森林
背景・ねらい木材を収穫する際に大量に発生する枝葉や端材などの林業バイオマスは、収集・運搬するためにコストがかかり、なかなか利用できません。効率的な機械と作業システムにより収集・運搬のコストを下げ、林業バイオマスを化石燃料に代わるエネルギー資源として有効利用することをめざし、用材(丸太)生産と同時にバイオマスを小さく破砕する機能を持ったプロセッサと、バイオマスを圧縮する機能を搭載したフォワーダを開発しました。これらの機械を使うことにより、用材はもとより、林業バイオマスも効率的に収集・運搬することが可能となります。
成果の内容・特徴

バイオマス収集・運搬システムの開発

森林作業にともなって発生し、森林に広く・薄く分布している枝葉や端材などの林業バイオマスの収集・運搬コストは、採算性の面で非常に厳しい状況にあり、ニーズが高まりつつあるにもかかわらず供給体制の整備が進んでいません。そこで、用材生産の際に発生する林業バイオマスを、集材作業と同時に収集・運搬することができる新しい機械を開発しました。

チッパー機能付きプロセッサ

用材生産の際に発生する林業バイオマスを効率的に収集するため、造材作業(用材生産)機械であるプロセッサに、かさ高いバイオマスを小さくするためのチッパー機能を付加しました。造材時にはソーチェーンによる玉切り作業を、破砕時にはチッパー機構による粗破砕作業を行い、1台の機械で造材作業と破砕作業の2つの工程を処理できる作業機械を開発しました(写真1、2)。これにより、通常の造材作業(用材生産)を行いながら、端材はそのままバイオマス資源として利用し、また枝葉についてはチッパー機構により粗破砕を行い、1時間に1.8~4.3トンの林業バイオマスを生産することができます。

バイオマス対応型フォワーダ

作業路網の発達にともない、フォワーダによる用材(丸太)の運搬性能の向上が求められています。同様に、林業バイオマスの運搬においても低コスト化を目指したフォワーダの性能向上が不可欠であり、加えて、端材・枝葉・チップなど形状がばらばらであり、かさばる林業バイオマスを可能な限り積載しなければなりません。そこで、用材を積載する機能はそのままに、かさ高い末木や枝葉などをできるだけ多く積載するため、荷台フレームが伸縮し、横方向および上方向から圧縮することによって積載量を確保することができる圧縮機能を装備したバイオマス対応型フォワーダを開発しました(写真3)。実際の作業現場において林業バイオマスを荷台に満載する試験(写真4)を行った結果、2.2~3.3トンの積載が可能であることが確認されました。
これらの機械を用いることによって、用材とバイオマスという森林資源を統合的に扱うトータル収穫作業システムが確立でき、安価な原料供給、供給量の安定化により、森林資源の利用率の増加だけでなく、林業収益性の改善も期待できます。

本研究は、林野庁森林整備効率化支援機械開発事業「木質バイオマス収集・運搬システムの開発」による成果です。
具体的データ
写真1
写真2
写真3
写真4
研究担当者陣川 雅樹(林業工学研究領域)、毛綱 昌弘(林業工学研究領域)、吉田 智佳史(林業工学研究領域)、中澤 昌彦(林業工学研究領域)、伊神 裕司(加工技術研究領域)、久保山 裕史(林業経営・政策研究領域)、岩岡 正博(東京農工大学)、古川 邦明(岐阜県森林研究所)、臼田 寿生(岐阜県森林研究所)、草野 喜行(株式会社南星機械)、田中 誠一郎(株式会社南星機械)、諸岡 正美(株式会社諸岡)、諸岡 昇(株式会社諸岡)
発行年度2011
収録データベース研究成果情報

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