木曽駒ケ岳の哺乳動物に関する研究(1)

木曽駒ケ岳の哺乳動物に関する研究(1)

レコードナンバー123560論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00013929NACSIS書誌IDAN00121352
論文副題木曽駒ケ岳東斜面における小哺乳類の分布
著者名鈴木 茂忠
宮尾 嶽雄
西沢 寿晃
志田 義治
高田 靖司
書誌名信州大学農学部紀要
別誌名Journal of the Faculty of Agriculture, Shinshu University
発行元信州大学農学部
巻号,ページ12巻・ 2号, p.61-91(1975-12)ISSN05830621
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抄録木曾山脈の主峰,木曾駒ヶ岳における小哺乳類の分布状態を明らかにするため,その東斜面において採集調査を行った。結果の大要は次の通りである。1)1974年5月および8月に実施したハジキワナによる海抜950mから2,640mにわたる採集の結果では,分布範囲の最も広いのはヒメネズミで,調査域の全範囲で採集された。亜高山帯から高山帯にまたがって生息していたのはトガリネズミとヤチネズミの2種であり,亜高山帯森林に固有の主はヒメヒミズであった。ヤチネズミとカゲネズミは,ともに森林性の種であるが,海抜1,300m辺りを境界にして,前者が高所に,後者が低所にすみわけていた。ヒメヒミズとヒミズの分布境界もほぼ海抜1,300m辺りにあった。ハタネズミは耕地,草原,幼齢植林地に生息するが,木曽駒ヶ岳東斜面の海抜1,300m以上では,そのような生息環境が存在しても,本種の分布をみなかった。これは山腹の傾斜がきわめて急峻なためではないかと考えられる。ドブネズミは高山帯のロープウェイ駅舎・旅館・食道の周辺に生息し,厳寒期にも出産していることが確認された。ヒメネズミの春の繁殖開始は,高所個体群ほどおくれるのが認められた。2)海抜1,300~1,500mの範囲で,林齢のちがうカラマツ人工林3ヶ所において,ハジキワナを用いて小哺乳類の採集を行い,林齢と小哺乳類の種構成との関係を調査した。アカネズミは幼齢林と若齢林に生息していたが,壮齢林にはいなかった。一方,ヒメネズミは幼齢林と若齢林では少なく,壮齢林で多くなる傾向が認められた。ヒメネズミの平均体重が,特に雌において,壮齢林個体群は他に比して軽い傾向が認められる。ヤチネズミは幼齢林にはいない。一方,カゲネズミは壮齢林にはいないが,幼齢林と若齢林では相対的に多くなる傾向が認められた。ワナ数に対する合計捕獲数は壮齢林において,他よりも少なかった。3)海抜1,300mのカラマツ若齢林においては,生捕ワナを用いてアカネズミとヒメネズミの行動を追跡した。これからホームレンジ長を計算すると,1974年8月の調査時には,アカネズミは平均33.1mであったが,1975年6月の調査時には18.3mとほぼ1/2に縮小している。調査地の小哺乳類の生息密度は,前者で20頭/ha,後者で96頭/haと計算されるが,高密度下においてアカネズミはその行動域を縮小することが示唆される。ヒメネズミのホームレンジ長は,1975年6月の調査時の資料だけであるが,それでは平均27.8mとなり,同一林分におけるアカネズミの18.3mに比べて著しく大であった。種間の生活のふれ合いや,種による生息環境の微妙な選択性などの解明が,今後の重要課題である。
索引語酸化;長野県;哺乳動物;野生動物;ヒメネズミ;アカネズミ;ヤチネズミ;小哺乳類;生息;壮齢林;幼齢林;若齢林;高山帯;ヒメヒミズ
引用文献数32
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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