木曽駒ケ岳の哺乳動物に関する研究(2)

木曽駒ケ岳の哺乳動物に関する研究(2)

レコードナンバー140046論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00013929NACSIS書誌IDAN00121352
論文副題木曽駒ケ岳東斜面低山帯上部におけるホンドテンの秋季ならびに冬季の食性-特に糞の内容の分析を中心として-
著者名鈴木 茂忠
宮尾 嶽雄
西沢 寿晃
志田 義治
高田 靖司
書誌名信州大学農学部紀要
別誌名Journal of the Faculty of Agriculture, Shinshu University
発行元信州大学農学部
巻号,ページ13巻・ 1号, p.21-42(1976-06)ISSN05830621
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抄録木曽山脈の主峰,木曽駒ヶ岳東斜面低山帯上部(海抜1,200~1,600m)において,1975年8月末より1976年2月末にわたって,ホンドテン(Martes melampus melampus)の糞193ヶを採集し,その内容物を調査した。1)動物性および植物性の食物を双方ともに含んでいる糞が圧倒的に多く,ホンドテンが雑食性であることを示していた。動物性植物のみを含んでいる糞は冬季(1・2月)に増加し,冬季にはより肉食性に傾く。2)動物性食物としては,7綱にまたがる動物種がみられたが,そのうち主要なものは哺乳類と昆虫類であった。哺乳類としてはノウサギとネズミ類が主で,特にノウサギはホンドテンの動物性食物の基本をなしているといってよい。食虫類は冬季に比較的多く出現した。ニホンカモシカの毛塊がみられた1例もある。昆虫類では鞘翅目が多いが,もちろん冬季には主要食物の地位を失う。3)植物性食物としては,双子葉植物綱の7目にわたる植物の液果または核果が食べられていた。最も多食されていたのは側膜胎座目のサルナシ・ミヤママタタビの液果である。果実類は8月から12月までに採集された糞では,その85~99%のものに含まれていてが,冬季(1・2月)には出現頻度は減じ,出現頻度の第1位は哺乳類にとって代わる。人里のカキの液果も摂食されていた。4)1ヶの糞の中に出現する植物の種類数は,目(Order)段階でまとめてみると1~7種類と変異はあるが,5種類以上のものは例数が少なくなり,平均2.5種類で,8・9月に平均2.8種類である。したがって糞中の植物の種類数は比較的少ないとみられる。また10・12月は1~5種類で平均2.2種類,1・2月は1~4種類で平均2.1種類であった。8・9月には側膜胎座目(サルナシ・ミヤママタタビ)と傘形花目(ウド・タラノキ)の液果を基本食物とし,それに附加される形で,その他の動物性食物が摂取されていた。10・12月には側膜胎座目,キンポウゲ目(アケビ)の液果とノウサギが組み合わされている場合が多かった。1・2月にはノウサギが中心的な食物となっていた。5)本調査地域に,ホンドテンと同所性の捕食者として生息しているキツネおよびイタチとの間で,食物の選択性をどのようにちがえているかに多大の興味がもたれるが,この点については将来の課題としたい。
索引語季節;山岳;長野県;哺乳動物;野生動物;冬季;ドテン;糞;植物;側膜胎座目;液果;ノウサギ;食物;ミヤママタタビ;動物性食物
引用文献数21
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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