車道による周辺植生への影響(5)

車道による周辺植生への影響(5)

レコードナンバー140048論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00013929NACSIS書誌IDAN00121352
著者名亀山 章
書誌名信州大学農学部紀要
別誌名Journal of the Faculty of Agriculture, Shinshu University
発行元信州大学農学部
巻号,ページ13巻・ 1号, p.63-88(1976-06)ISSN05830621
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抄録1 道路の建設が周辺植生に及ぼす影響の調査を行った。今回は,これまでに調査されなかった,裏日本型気候の多雪地帯の植生と道路との関係を明らかにするために,富山県の立山黒部アルペンルート(美女平-弥陀ヶ原間)を対象とした。標高1,000-2,100mの区間であり,温帯から亜高山帯の森林植生の中に道路が建設されている。2 はじめに,全域の森林植生と林縁植生の群落調査を行い,森林植生を7つ,林縁植生を4つに群落区分した。森林植生に比較して,林縁植生の区分は大まかであり,いくつかの森林植生に対応しているのが認められた。林縁群落構成種には,低山から上がってきたものが多いが,高山から下降してきた種もみられた。標高が上がるにしたがって,林縁の種群は少なくなり,群落の多様性が低くなることが認められた。3 得られた植生単位が,道路周辺に典型的にみられる4つの地区を選定して道路周辺の植生図を描き,車道建設による影響がどのようにあらわれているかをみた。植生図にあらわれた影響圏の大きさをみると,標高の低いヒメアオキーブナ群集では,道路から10m前後で,20m近いところもあった。標高のより高いヒメコマツ-イワウチワ群落では,影響圏は5m程度までと低く,また,亜高山帯のオオシラビソ群集も同程度であり,いずれも少ない。これらの森林は,疎林であるために,道路建設によって林内の環境が変化することが少ないものと考察された。4 道路からの影響をさらに詳細にとらえるために,標高100mごとに,道路から林内に向かってベルト・トランセクト法による調査を行った。植生図とほぼ同様の影響圏が認められた。しかし,オオシラビソ群集では,林縁の近くに,林縁植生構成種が出現しない場合でも,森林植生の構成種が減少するという影響のあらわれ方が巾10m程度に認められ,植生図の場合よりも,より大きな影響がとらえられた。5 今回の調査で明らかにされた影響圏の大きさは,従来の結果に比較して小さいのが特徴的であった。その理由としては,裏日本型の気候と植生の特徴によるものが考えられる。とくに冬期の長期間,積雪のために林内環境が保護されていること,生育のおう盛なチシマザサが繁茂して林内環境を変化させないでいることなどが主要な要因であると考えられる。
索引語車両;植生;道路;影響;道路;森林植生;調査;植生図;植生;標高;林縁植生;影響圏;周辺植生
引用文献数19
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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