TMV弱毒系統の実用的接種法とトマトモザイク病に対する効果

TMV弱毒系統の実用的接種法とトマトモザイク病に対する効果

レコードナンバー191938論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00016679NACSIS書誌IDAN00142421
著者名長井 雄治
竹内 妙子
書誌名千葉県農業試験場研究報告 = Bulletin of the Chiba-Ken Agricultural Experiment Station
別誌名千葉農試研報
Bull. Chiba Agric. Exp. Stn.
Bulletin of the Chiba Prefectural Agricultural Experiment Station
発行元千葉県農業試験場
巻号,ページ20号, p.57-69(1979-03)ISSN05776880
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抄録TMV弱毒系統L11Aによるトマトモザイク病防除法の実用化のための諸問題解決の一環として,L11Aの実用的接種法を確立するために,1974年以来,種々の試験を行うとともに,その効果についても, TMVの伝染方法,L11Aの使用時期およびトマトの品種などとの関連から検討した。1. 実用的接種法として,噴霧法,噴霧付傷併用法,浸漬法の得失を比較したところ,L11Aの感染率には特に差異はみられなかったが,接種能率と接種時のTMV伝染に対する安全性から,噴霧接種法が適切と考えられた。2. 噴霧接種による場合のL11Aの接種時期は,TMVの防除とトマト苗の生育の双方から判断して,本葉l~2枚の幼苗期が最適であるとみなされた。3. L11Aの感染率を100%とするための,市販の噴霧器による噴霧接種の条件は次のとおりである。すなわち,L11A保毒生葉は,水道水を加え,ミキサーで摩砕し,100倍液とし,600メッシュカーボランダムを20g/l加え,l~2葉期のトマトの幼苗1000本(苗床面積1m2)当たり0.5lとし,5kg/cm2以上の圧力で5cm以内の至近距離から噴霧する。鉢上げはなるべくL11A接種の7日以上後に行う。4. L11Aの噴霧接種は病株から採種したトマト種子の種子伝染に対してすぐれた効果が認められた。5. 幼苗期にTMV感染苗が混入している場合にもL11Aの噴霧接種により感染苗から他の健全苗への伝染を防ぐことができた。ただし,このような場合には噴霧付傷併用法と浸漬法はむしろTMVによるモザイク病を助長する結果となった。6. L11Aは夏トマトや抑制栽培など各種の作型で,発病抑制と減収回避にすぐれた効果のあることが確認された。7. L11A接種後8日以内にTMVの濃厚感染を受けると,のちに50%以上のモザイク株を生じたので,この時期にはまだ干渉効果が十分でないとみられた。しかし,L11A接種後18日以上経過するとすぐれた効果が認められた。ただし,接種後70~80日経過すると効果が若干減退することがあるようであった。8. TMV感受性品種でのL11Aの利用効果には著しい差異は認められなかった。しかし,雷電,大型瑞光,強力秀光などのTMV抵抗性品種ではL11Aの感染率が著しく低いうえに感染しでもL11Aの増殖性がわるく,圃場試験でも増収効果が認められなかったことから,これらの抵抗性品種に対するL11Aの有用性は認められなかった。
索引語L11A;TMV;効果;噴霧接種;実用的接種法;噴霧付傷併用法;幼苗期;感染率;トマト;浸漬法
引用文献数24
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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