「坊主不知」ネギの生長点培養によるウィルスフリー化とその実用性(1)
「坊主不知」ネギの生長点培養によるウィルスフリー化とその実用性(1)
レコードナンバー | 370224 | 論文タイプ | 学術雑誌論文 |
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ALIS書誌ID | ZZ20009531 | NACSIS書誌ID | AN00142283 |
論文副題 | 培養方法及び変異発生の検討 | ||
著者名 | 大越 一雄 石井 勝 実川 三朗 | ||
書誌名 | 千葉県原種農場研究報告 = Bulletin of the Chiba-Ken Foundation Seed and Stock Farm | ||
別誌名 | Bull. Chiba Found. Seed & St. Farm 千葉原農研報 | ||
発行元 | 千葉県原種農場 | ||
巻号,ページ | 9号, p.1-10(1987-03) | ISSN | 03875229 |
全文表示 | PDFファイル (1054KB) | ||
抄録 | ウィルス病の発生が問題化している株分け増殖性ネギ「坊主不知」の、生長点培養によるウィルスフリー苗の育成に関して、培地、培養方法及び培養株とその後代のウィルス保毒や変異発生の有無について検討し、以下のような結果を得た。1. 「坊主不知」ネギのウィルスフリー化のための効率的な生長点培養法としては、初めにMS培地+NAA 0.5ppm+BA 1.5ppm培地に、0.2~0.3mm程度に摘出した生長点を置床し、約25℃、植物育成用ランプ(約2,000lux)による16時間照明下で3~4ヵ月間培養して茎葉だけを数多く分化させる。次にHyponex 0.3%培地+NAA 0.5ppm+KIN 2.0ppm培地に分割移植し、同条件で約1ヵ月間培養して発根させた後馴化する方法が適当と考えられた。2. MS培地+NAA 0.5ppm+BA 1.5ppm培地上でくり返し分割移植して茎葉だけを大量に分化させた後、必要に応じて発根を促す培地に移し、発根させてから馴化する方法をとれば、1生長点から大量にウィルスフリー個体を増殖することが可能であると考えられた。3. 培養した幼植物体の馴化方法としては、根部に付着した培地を流水でよく洗い流した後、パーライトまたはバーミキュライトを詰めた4号程度の素焼き鉢に植えつけ、その上に針金を支柱としてポリエチレン袋をかぶせ、これを黒寒冷紗で50%程度遮光したガラス温室内に設置した水耕装置を利用し、毎日1回30分間程度Hyponex 3,000倍希釈液を湛水して鉢底部より施用しながら、徐々にポリエチレン袋の底部の開口度を高める方式で、約1ヵ月かけて馴化する方法が良いと考えられた。4. 培養株のウィルス検定を行ったところ、全てがウィルスフリー株と判断された。また、これらの株を4年間網室内で隔離栽培した結果、ウィルスフリー状態が維持されていることが確認された。5. 本試験で用いた培養法で育成した株を親株として網室内で増殖をし、ウィルスフリー苗として供給する方式では、実用上問題となる変異の発生はないと考えられた。 | ||
索引語 | MS培地+NAA;培地+NAA;方法;坊主不知;培地;株;馴化;発根;ネギ;生長点培養 | ||
引用文献数 | 11 | 登録日 | 2011年03月05日 |
収録データベース | JASI, AGROLib |