晩播ダイズにおける主要害虫類の発生と防除

晩播ダイズにおける主要害虫類の発生と防除

レコードナンバー393007論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00016679NACSIS書誌IDAN00142421
著者名澤田 正明
書誌名千葉県農業試験場研究報告 = Bulletin of the Chiba-Ken Agricultural Experiment Station
別誌名千葉農試研報
Bull. Chiba Agric. Exp. Stn.
Bulletin of the Chiba Prefectural Agricultural Experiment Station
発行元千葉県農業試験場
巻号,ページ29号, p.159-172(1988-03)ISSN05776880
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抄録晩播ダイズを加害する害虫類のうち,ヒメコガネと主要子実害虫類の発生・被害とその防除法について一連の調査と試験を行った。1. ヒメコガネ成虫のダイズ寄生は8月上旬から増え始め,8月下旬が最盛となった。生育期の異なるダイズが隣接してある場合,茎葉繁茂量の多い生育の進んだダイズに多く寄生した。ヒメコガネによる食葉被害を想定して切葉実験を行ったところ,切除率25%では収量に影響なく,50%以上では切除時期の早い方が収量への影響が大きかった。しかし,晩播ダイズでは50%というような激しい被害をうけることは殆どないと思われた。2. 晩播ダイズを加害するカメムシ類はホソヘリカメムシ,イチモンジカメムシ,アオクサカメムシ,クサギカメムシの4種が確認された(他に調査対象外でチャバネアオカメムシの加害も観察している)。このうちホソヘリカメムシは個体数が他より圧倒的に多く最重要種と考えられた。ホソヘリカメムシのダイズへの飛来は開花始めから約1か月後の9月下旬が最も多かった。ダイズ子実の被害は着莢直後から始まり,登熟期まで累積的に増加した。異なった品種のダイズが隣接している場合,開花始め期はほぼ同じでも子実肥大の早い品種に集中寄生した。また,作期と被害量との関係をみると登熟期が早まるに従い被害が多くなる傾向があった。3. ダイズサヤタマバエによる被害は着莢直後からみられるが急増することはなく,開花始め30~50日後ごろからは落莢のため見かけ上の被害が減少した。吸引型ライトトラップでの成虫誘殺は9月第6半旬に山がみられた。産卵は稚莢に多く,したがって被害は開花期との関連が深い。晩播ダイズでは開花始め期が遅いほど,また,開花期間が長いほど多被害であった。4. シロイチモジマダラメイガによる子実被害は莢の生育に伴い累積的に増加する傾向があった。吸引型ライトトラップでの成虫誘殺は8月第2半旬から10月第3半旬まで続き,8月第6半旬に山がみられた。ダイズ莢内には登熟期になっても若齢幼虫がみられたことから,一部の第3世代虫は年内に羽化し,第4世代幼虫が発生しているのではないかと思われた。作期と被害量との関係は晩播となるほど被害が多い傾向であった。5. ヒメサヤムシ類は1980年に異常多発生し,若莢食害による落莢や肥大子実の食害が著しかったが,そのほかの年の子実被害は無防除でも2~3%程度であった。その他,ハスモンヨトウやクワゴマダラヒトリが多発生して子実や莢を食害して子実表面を黒変させる被害が発生した。6. 秋ダイズの害虫類には晩播するほど被害発生が少なくなる種類(カメムシ類)と,逆に多くなる種類(ダイズサヤタマバエやシロイチモジマダラメイガ)があり,どの作期が最も収量が上がり有利であるかは,栽培管理上の問題等も含めて総合的に判断する必要があると思われた。7. 子実害虫類を主対象とした薬剤防除の結果,開花始め期を基準にスケジュール防除するのが適当と判断された。例えば,第1回目を開花始め10日後として,MEP乳剤では15日ごとに3回,MEP・フェンバレレート水和剤では15日ごとに3回又は20日ごとに2回の防除を行ったところ,子実の被害は無防除の8~15%に抑えられた。
索引語被害;晩播ダイズ;開花;ダイズ;登熟期;作期;発生;防除;害虫類;ヒメコガネ
引用文献数26
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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