原蚕の稚蚕用飼料の改善

原蚕の稚蚕用飼料の改善

レコードナンバー400886論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20008669NACSIS書誌IDAN00366054
著者名柳川 弘明
渡辺 喜二郎
中村 匡利
書誌名蠶絲試驗場彙報
別誌名Technical bulletin of Sericultural Experiment Station, Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries
Technical bulletin of Sericultural Experiment Station
蚕糸試験場彙報
発行元農林省蠶絲試驗場
巻号,ページ132号, p.27-47(1988-02)ISSN03853594
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抄録原蚕の稚蚕用人工飼料について,幼虫の体重,眠蚕出現率等に対する各種飼料素材の添加量の影響を検討し,無機塩の組成についても検討した。その結果は次のとおりである。(1)日145号及び支146号について桑葉粉末添加量と洗浄脱脂大豆粉末添加量がそれぞれ異なる飼料で飼育した。1眠蚕の早期出現及び蚕体重の重い飼料区は長軸方向に一定の傾きを持つ異なった長楕円形の範囲に認められ,その範囲は蚕品種及び幼虫の成長に伴って変化することが明らかとなった。(2)日5・1及び中6・1を用いた試験ではその傾向がさらに明瞭であって,両飼料素材の適正添加範囲は早期眠蚕の出現と眠蚕体重の間で異なり,蚕品種によっても異なっていた。(3)早期眠蚕の出現及び眠蚕体重の重い飼料区は1齢から3齢まで蚕の成長に伴って,次第に桑葉粉末添加量が少なく,洗浄脱脂大豆粉末添加量の多い飼料区に移行する傾向が認められた。(4)眠蚕出現の早い飼料区の粗蛋白質量は17.9~26.1%の範囲にあり,両蚕品種とも齢が進むにしたがって粗蛋白質量の多い飼料区に移行した。また,粗蛋白質/糖の比率は1齢から3齢まで次第に高くなっていた。これに対して,眠蚕体重は蛋白質22%程度の飼料区で最も重く,蛋白質/糖の比率もあまり変化しなかった。(5)日5・1における早期眠蚕の出現には主効果として1眠では桑葉粉末,2眠では桑葉粉末と無機塩混合物の添加量の影響が大であった。これに対して,眠蚕体重は1眠では桑葉粉末と無機塩混合物に,2眠ではすべての変動因に有意差が認められた。(6)中6・1における早期眠蚕の出現は主効果として1眠では洗浄脱脂大豆粉末と無機塩混合物に,2眠では桑葉粉末と無機塩混合物に有意差が認められた。しかし,眠蚕体重への影響は主として「桑葉粉末×洗浄脱脂大豆粉末」の交互作用としてとらえられることが明らかとなった。(7)桑葉粉末30%及びソルピー20%を含む稚蚕用人工飼料においては,無機物としてK,P,Fe,Ca及びMgの添加が必要であり,それらの添加必要量は従来の添加量を上回っていた。また,これらの結果から新無機塩混合物の組成を決定した。(8)基本飼料中に含まれる無機物量と新無機塩混合物として添加された無機物量の合計は,Caを除いて桑葉粉末中の含量と比較的良く一致していた。(9)飼料素材の中で比較的高価な寒天,β-シトルテロール,アスコルビン酸等の代替または低減を図り,交雑原種における1-4齢用の飼料を作出した。(10)飼料組成の改善をさらに合理的に行うためには,蚕の基本的な栄養要求と飼料を構成する素材中の栄養成分量とを考慮に入れ,しかも統計的手法を導入した改良方法が必要であると考察した。
索引語飼料;カイコ;養蚕(人工飼料育);飼料;早期;添加;体重;出現;蚕;蛋白質;Ca;粗蛋白質;原蚕
引用文献数13
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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