玉川学園構内における1990年以降のマツ材線虫病(松くい虫)被害実態

玉川学園構内における1990年以降のマツ材線虫病(松くい虫)被害実態

レコードナンバー621671論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00015535NACSIS書誌IDAN0013988X
著者名真宮 靖治
山作 篤史
書誌名玉川大学農学部研究報告 = Bulletin of the Faculty of Agriculture, Tamagawa University
発行元玉川大学農学部
巻号,ページ40号, p.45-59(2000-12)ISSN0082156X
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抄録多摩丘陵の一角で,町田市,川崎市,横浜市にまたがって位置する玉川学園構内におけるマツ材線虫病被害について,資料に基づいて発生経過を検証するとともに,実地調査による被害実態の解明を行った.丘陵性地形に広がる59haの学園構内では,アカマツ,クロマツは広葉樹二次林の中に散在する存在であり,また単木的に景観樹として各所に成立している.学園構内では,1960年代後半以降,マツ材線虫病のため多くのマツが消滅してきた.1990年に構内の町田市域で実施された全樹木を対象とした植生調査資料を基に,1999年に行った構内全域のマツの毎木調査結果から10年間の枯死木発生経過を明らかにした.10年間でマツは1,351本から793本に減少していた.558年の消失で,そのほとんどがマツ材線虫病による被害と推定できた.1999年のマツノザイセンチュウ感染枯死木は26本であった.校舎建設による健全木の伐倒,あるいは被圧による枯死などで消失した12本のマツと合わせ,38本のマツが失われ,2000年3月における構内のマツ生立木本数は755本となった.枯死木は樹齢20年から60年,胸高直径5cmから45cmの範囲にわたり,特定の大きさには限定されなかった. 枯死木樹幹材中のマツノザイセンチュウ個体数は,枯死後の時間経過にともなう変動を示し,個々の致死木で差異が大きかった.樹幹の位置による線虫個体数にも大きな差異がみられ,1本の枯死木で多数の線虫が検出される部位がある一方で,少数あるいはまったく検出されない部位があった.材乾重1g当たりの線虫個体数は,1,423頭が最高であった.学園構内に発生した枯死木からのマツノマダラカミキリ成虫の羽化脱出消長を87頭の成虫を対象に追跡した.6月4日から羽化脱出が始まり,50%羽化脱出日を6月16日として,7月21日が最終日となった.羽化成虫のマツノザイセンチュウ保持率は78%,成虫1頭当たりの平均保持線虫数は14,800頭(最高126,000頭)であった.構内に設置した誘引器によって捕獲したマツノマダラカミキリ成虫がマツノザイセンチュウを保持していたことから,構内に飛翔するマツノマダラカミキリ成虫によるマツノザイセンチュウの伝播とマツの感染発病の経過が検証された.
索引語マツ科;マツノザイセンチュウ;被害;実態
引用文献数15
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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