黒毛和種牛由来ドナー胚の凍結保存方法が核移植成績に及ぼす影響および凍結再構築胚の受胎性の検討

黒毛和種牛由来ドナー胚の凍結保存方法が核移植成績に及ぼす影響および凍結再構築胚の受胎性の検討

レコードナンバー622301論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00009417NACSIS書誌IDAN10075105
著者名長谷川 清寿
岡崎 尚之
安田 康明
ほか1名
書誌名島根県立畜産試験場研究報告
別誌名Bulletin of the Shimane Prefectural Animal Husbandry Experiment Station
島根畜試研報
島根県立畜産試験場研究報告
発行元島根県立畜産試験場
巻号,ページ34号, p.6-10(2001-03)ISSN09146296
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抄録牛の初期胚核移植における黒毛和種牛由来ドナー胚の凍結保存方法が核移植成績に及ぼす影響および再構築胚の凍結融解後の受胎性について検討した。 核移植のドナー割球は、場内繋養の黒毛和種供胚牛5頭に過排卵処理後人工授精し、その5~7日目に採取した体内由来の初期胚を割球分離して用いた。レシピエント卵子は、摘出卵巣から吸引採取後20-22時間成熟培養した卵子を除核および複合活性化処理して用いた。ドナー胚の凍結試験区は、耐凍剤の種類により1.5M-エチレングリコール(EG)区および1.4M-グリセリン(Gly)区とし、対照区には新鮮胚を用いた(実験1)。その結果、融合率は、対照区が69%(34/49)、EG区が68%(21/31)およびGly区が83%(80/97)であった。卵割率は、対照区が68%(23/34)、EG区が57%(12/21)およびGly区が80%(64/80)であり、Gly区はEG区に比べ有意に(P<0.05)高い値であった。また、移植可能胚への発生率は、対照区が12%(4/34)、EG区が5%(1/21)、Gly区が21%(17/80)であった。 再構築胚の移植試験は1.4M-Glyで凍結したドナー胚から作出した移植可能な再構築胚(8個)を0.2M-トレハロースを添加した1.5M-EGで凍結融解して、発情後7日目の機能黄体を有する交雑種受胚牛延べ7頭に、1頭当たり1または2個を移植し、経過を観察した(実験2)。これらの受胚牛のうち1頭で2胚(25%)が着床し、雄双子が娩出された。産子の娩出時体重は45.6kgおよび32.8kgであった。これらの産子の個体識別は、マイクロサテライトマーカーを用いたDNA多型領域の解析によって行い、交雑種雄牛(ドナー胚の父牛)および供胚牛(母牛)由来の産子であること、ならびに互いに同一のDNA型を有するクローン個体であることを確認した。 以上のことから、体内由来ドナー胚の凍結保存に用いる耐凍剤としては、1.4M-Glyが1.5M-EGに比べて有効であることが推察された。また、凍結初期胚由来のドナー割球を用いて作出した再構築胚を再度凍結融解後、受胚牛に移植することによって、受胚牛の受胎および受精卵クローン産子(同腹双子)の娩出を確認できたことにより、ドナー胚の採取・凍結保存、核移植による再構築胚の作出・凍結保存、再構築胚の受胚牛への移植および複数産子の生産を行うことが、技術的に可能であることが示された。
索引語肉牛;和牛;胚;凍結保存;核移植;受胎
引用文献数42
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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