針広混交林の動態に関する基礎的研究

針広混交林の動態に関する基礎的研究

レコードナンバー630324論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00010758NACSIS書誌IDAN10164318
著者名佐野 真琴
書誌名森林総合研究所研究報告
別誌名Bulletin of the Forestry and Forest Products Research Institute
発行元森林総合研究所
巻号,ページ380号, p.1-33(2001-03)ISSN09164405
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抄録本研究はトドマツ・エゾマツを主とする針広混交天然林の成長を解析し,成長モデルを作成することにより,針広混交林の動態の把握を目的とした。使用した資料は,旧旭川営林局天然林固定成長量試験地と旧札幌営林局簾舞天然林施業実験林のものである。はじめに,針広混交林の成長解析を行った。進界量は個体数や胸高断面積合計などの林分構成因子と弱い負の相関しか認められなかった。直径階ごとの枯死量では,直径階21cm以下の枯死量はその直径階とそれより大きい直径階の個体数,合計個体数と関係が強く,直径階27~45cmの枯死量はいずれとも関係は弱い。直径階51cm以上の枯死量はその直径階前後の直径階の個体数と関係がやや強かった。径級別平均直径成長量と各径級を組み合わせた個体数合計の相関関係では,最も強い負の相関を示したのは小径級平均直径成長量と大~特大径級の合計個体数,それに次いで強い負の相関を示したのが中径級平均直径成長量と大~特大径級の合計個体数である。遷移行列を利用した成長モデルによる動態の把握には2つのタイプのモデルを使用した。第1は遷移行列に進界量を含むモデルで,行列の固有値を計算し直径分布の型で分類した林分タイプと比較した。これより,林分タイプは異なるが,固有値の面から見ると同じ遷移傾向にあると判断されるものがあった。第2は遷移行列に進界量を含まないモデルで,これにより直径・樹高分布の予測を行った。また,この遷移行列要素の推定方法の検討も行った。トドマツ稚樹のモデルによる予測では,150cm以上の直径階では予測値と実測値はほぼ一致しているが,130cm階以下ではかなり低く計算された。稚樹と成木の成長モデルによる予測では,伐採が行われた林分において,伐採前の利用可能径級の本数に達するまで60年近く必要であることが分かった。また,モデルに利用される遷移行列の要素推定では,進界量について説明変数を樹高層別の胸高断面積合計とする重回帰式を用い,進級率について説明変数を胸高直径とその直径階より上の胸高断面積合計とするロジスティク回帰分析を用い算出した。これより直径分布を予測した結果,進界量の予測適合度がやや低いことから6cm階で差があるものの,他の直径階ではおおむね良好な適合を示した。最後に,単木ごとの時系列データを必要とせず,期首と期末の直径分布から直径遷移行列の椎定を行う方法を検討した。この結果,2つの仮定を制約とすることにより,精度よく推定できることがわかった。
索引語混交林;動態;針葉樹;北海道;モデル;測樹
引用文献数57
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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