ワケギのりん茎の発達および休眠状態の変化に伴う葉鞘基部における炭水化物の動態

ワケギのりん茎の発達および休眠状態の変化に伴う葉鞘基部における炭水化物の動態

レコードナンバー630928論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00015006NACSIS書誌IDAN00025257
著者名山崎 博子
西島 隆明
腰岡 政二
ほか1名
書誌名園藝學會雜誌
別誌名園芸学会雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science
発行元園藝學會
巻号,ページ70巻・ 3号, p.353-359(2001-05)ISSN00137626
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抄録ワケギの休眠と炭水化物,特にフルクタンの蓄積との関係を明らかにすることを目的として,休眠性の異なる2品種,‘木原晩生1号’(休眠性)および‘宜野座’(非休眠性)について,りん茎発達期および掘り上げ後のりん茎貯蔵期における葉鞘基部の炭水化物の動態を調査した.また,休眠と同時期に起こるりん茎形成と炭水化物との関係についても検討した. ‘木原晩生1号’の休眠獲得期にあたるりん茎発達期には,‘木原晩生1号’および‘宜野座’の葉鞘基部におけるフルクトースおよびグルコース濃度は低下し,フルクタンおよび全炭水化物濃度は上昇した.りん茎発達期におけるスクロース濃度には両品種ともに大きな変化はみられなかった.‘木原晩生1号’の休眠覚醒期にあたるりん茎貯蔵期において,フルクトース,ルコース,スクロースおよびフルクタン濃度には両品種ともに大きな変化は認められなかった. 調査したすべての炭水化物成分(フルクトース,グルコース,スクロースおよびフルクタン)について,りん茎発達時および掘り上げ後のりん茎貯蔵期における濃度には‘木原晩生1号’と‘宜野座’の間に大きな違いはみられなかった. 休眠性の異なる品種間で葉鞘基部へのフルクタンの蓄積に違いがみられないことおよび休眠覚醒期のフルクタン濃度には休眠状態と関連した変化がみられないことから,フルクタンの蓄積がりん茎の休眠に関与している可能性は低いと考えられた. 多量のフルクタンの蓄積は,葉鞘の下部にのみ特異的に認められ,葉身部および葉鞘上部では炭水化物の大部分はフルクトース,グルコースおよびスクロースの形で存在した. 萌芽後の生長にともなって,りん茎のフルクトースおよびグルコース濃度は上昇し,フルクタンおよび全炭水化物濃度は低下した. フルクタンはりん茎発達後のワケギ葉鞘基部において全炭水化物の90%(w/w)以上を占め,りん茎の主要な貯蔵物質であり,りん茎に蓄積されたフルクタンは萌芽後の生長に利用されると考えられた.りん茎発達時の葉鞘基部における炭水化物の重合化は,スクロース濃度の調節による葉鞘基部のシンク活性の維持,および浸透ポテンシャルの低下の緩和に機能している可能性が考えられた.
索引語ネギ属;鱗茎;発育;休眠;葉;炭水化物;多糖類
引用文献数21
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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