脳の性分化誘導機構に関する分子生物学的解析

脳の性分化誘導機構に関する分子生物学的解析

レコードナンバー631159論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00014744NACSIS書誌IDAA10936678
論文副題グラニュリン遺伝子の単離とその機能
著者名鈴木 正寿
西原 真杉
高橋 迪雄
書誌名The Journal of reproduction and development
発行元Japanese Society of Animal Reproduction
巻号,ページ46巻・ p.51-57(2000-12)ISSN09168818
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抄録哺乳動物における性行動の発現パターンや性腺刺激ホルモンの分泌パターンなどの雄雌差は,脳の機能的・形態的な雌雄差に起因している.ラットの場合,出生後数日の特定の時期(臨界期)に精巣から分泌されるテストステロン(T)が脳内で芳香化酵素によりエストラジオール(E2)へと代謝され,未分化な脳に作用して雄型に分化誘導することが知られている.本研究は,分子生物学的手法を駆使してラット脳の性分化誘導機構の解明を目指したものである.出生後2日目の雌ラットにTまたはその溶媒を投与して3日後に視床下部を摘出し,それぞれからcDNAライブラリーを作成した.これらのcDNAライブラリーをもとにサブトラクション法を行った結果,グラニュリン(grn)前駆体遺伝子が単離された.Grnはin vitroにおいて上皮系の細胞を含む多種類の細胞の増殖を制御する成長因子として知られている.新生ラット視床下部におけるgrn遺伝子の発現は,雄で高く雌で低いという性差が観察され、新生ラットへのTまたはE2処置によって発現が誘導されることが確認された.さらに,出生後2日目の雄ラットの脳室内にgrn遺伝子に対するアンチセンスDNAを投与してgrnの発現を阻害したところ,成熟後の雄型性行動の発言が顕著に抑制された.ラット新生期の脳の性分化過程において,性ステロイドによって視床下部において発現誘導されるgrnは,様々な機能的な神経系の性差のうちでも,雄型の性行動を発現させるための神経回路の形成に必須な因子である可能性が示唆された.
索引語ラット;脳;性;分化
引用文献数22
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI

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