日本における着色系ふじ

日本における着色系ふじ

レコードナンバー640961論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00009246NACSIS書誌IDAN10030479
論文副題経営に適した系統の選択
著者名小松 宏光
書誌名長野県果樹試験場報告
発行元[出版者不明]
巻号,ページ5号, p.27-32(1998-03)ISSN09102469
全文表示PDFファイル (454KB) 
抄録リンゴ「ふじ」は日本のリンゴ栽培面積の50%以上を占める品種で、これまでに多くの芽条突然変異が発見されている。なかでも、着色系枝変わりは、発見が容易であること、経済栽培において有益なことから数多く発見されている。日本における「ふじ」の着色系枝変わりの現状と今後の導入方向について報告する。 最初の「ふじ」の枝変わりが1968年に発見されて以来、多くの着色系が見つかり、1971年から特性検定と選抜に関する共同試験が、各リンゴ栽培地の試験場で行われた。その結果、日本のリンゴ産地いずれでも好結果が得られる特定の系統は見いだされず、地域毎に独自の対応が必要なことが知られた。長野県では「長ふ2」、「長ふ6」、「長ふ12」を、秋田県では「秋ふ1」を、岩手県では「岩ふ1」を、山形県では「山ふ1」、「長ふ2」及び「秋ふ1」を推奨するに至った。青森県では特定の系統を推奨するには至らなかった。 長野県では3つの系統を推奨すると同時に、いくつかの条件を満たす系統については、地域優良系統として増殖を勧めた。その条件は、無袋栽培のもとで明るい着色で、縞があるもの、普通系に比べ味が劣らないもの、果実の大きさは普通ふじと同程度のもの、高接ぎ病ウイルスを保毒していないものであった。それ以来、非常に多くの系統が発見され、経済栽培に導入された。更に1995年、1996年に系統の再選抜を行い、「長ふ12」はこれまで通り推奨するが、「長ふ2」と「長ふ6」は特性が変化しており、増殖を見合わせることとした。また、地域での有望系統として、安曇地区の選抜系統、大町地区の合津系、松本地区の上条系、長野市南部地区の宮崎系を選抜した。 一方、新しい系統では「秋ふ47」が注目されている。「秋ふ47」は、着色管理を省略した場合では、他の系統と比べ着色が良いからである。着色管理は外観の向上には欠かせない日本特有の技術であるが、生産コストや労働時間を減らすために、着色管理を省略したいと考える生産者も少なくない。 今後、「ふじ」の着色系の導入方向は2つの方向があると考えられる。一つは有袋栽培も含め着色管理を行ったうえで、着色の良い果実を生産するための系統、もう一つは着色管理を省力しても一定水準の着色の果実を生産するための系統である。日本のように経営面積が少なく、労働集約的な栽培をして商品に高い付加価値を与えるためには、前者を選ぶであろうし、大規模栽培では後者を選択することが多いと思われる。大規模栽培であっても、廉価な労働力を確保することが可能であれば、前者を選択する可能性もあり得る。「ふじ」の着色系の評価においても、生産者の経営戦略が大きく左右する時代といえる。
索引語リンゴ;突然変異体;新品種;地域;適応
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

論文アクセスランキング

Copyright 2017 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat