異なる作型におけるカラタチ台ウンシュウミカン樹の根の発育パターンの解明

異なる作型におけるカラタチ台ウンシュウミカン樹の根の発育パターンの解明

レコードナンバー642123論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00013930NACSIS書誌IDAN00038339
著者名片岡 郁雄
別府 賢治
書誌名香川大学農学部学術報告
別誌名Technical bulletin of Faculty of Agriculture, Kagawa University
Kagawa Daigaku Nôgakubu gakujutsu hôkoku
発行元香川大学農学部
巻号,ページ54巻・ p.49-54(2002-03)ISSN03685128
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抄録ウンシュウミカン'興津早生'幼木の加温栽培と露地栽培における根系の発育パターンを調査し、地上部の生長との関係を明らかにした。 1.香川大学農学部構内にて、3年生の'興津早生'をルートボックスに植え付け、半数を1999年2月16日からガラス温室に搬入して加温を開始し、残りを無加温区とした。加温区では3月上・中旬に春枝が伸長し、その後しばらく新梢の生長は停滞したが、5月下旬より夏秋枝が急速に伸長した。一方、無加温区では4月下旬から5月中旬にかけて春枝の生長が活発になり、その後しばらく生長は停滞したが、6月下旬から夏秋枝の伸長が認められた。生長量の比較では、春枝の伸長量は無加温区の方が加温区よりも大きかったのに対して、夏秋枝の伸長は加温区の方が著しく大きくなった。根の生長については、加温区では新梢の生長が停滞した4月下旬に伸長が始まり、6月下旬まで伸長が続いた。その後、生長が一時的に停止したが、7月下旬から8月上旬にかけて再び伸長した。無加温区でも、新梢の生長が停滞した5月下旬から根の生長が始まり、7月下旬にかけて急速に伸長した。しかし、その後はほとんど伸長が認められなかった。最終的な生長量は、新梢で加温区で優れており、根では無加温区でやや優れていた。 2.1年生および3年生の興津早生をそれぞれルートボックスと10号鉢に植え付け、早期加温区では1997年12月9日から、後期加温区では1998年2月13日から樹をガラス温室に搬入して加温を開始した。新梢の生長量は早期加温区で最も大きくなり、次いで後期加温区で大きい値を示した。根の発育は、いずれの処理区においても発芽の後に起こり、新梢の発生および伸長が緩やかになってから盛んになった。特に早期加温区では、根の生長開始が大きく遅れ、最終的な生長量も他区よりも著しく劣っていた。一方、無加温区では掘り上げ時の根重が大きく、特に細根量が他区よりも著しく多くなった。これらの結果、地上部と地下部の乾物重量比(T-R率)は、加温区では高く、無加温区では低くなった。葉の光合成速度には処理間で大きな差異は認められなかった。果実品質については、加温区では酸含量が低く、甘味比は良好であったが、着色や糖度は無加温区でやや優れていた。樹体栄養については、無加温区ではほとんどの部位においてデンプン含量が加温区よりも大きくなっており、特に地下部でその差は顕著であった。糖含量もいずれの部位においても無加温区でやや大きい値を示した。 以上の結果から、ウンシュウミカンは、加温栽培によって地上部の生長が促進されるが、そのことによって、元来シンク力の弱い根では、その発生や伸長力がさらに抑制されることが示唆された。
索引語ウンシュウミカン;台木;ミカン科;作型;根;発育
引用文献数11
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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