高等植物におけるHis-Aspリン酸リレー型シグナル伝達機構(1)

高等植物におけるHis-Aspリン酸リレー型シグナル伝達機構(1)

レコードナンバー651153論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20010063NACSIS書誌IDAA11550064
論文副題シロイヌナズナの植物ホルモン初期応答シグナル伝達
著者名岡 穆宏
酒井 啓江
書誌名植物の生長調節 = Regulation of plant growth & development
発行元植物化学調節学会
巻号,ページ37巻・ 1号, p.23-29(2002-05)ISSN13465406
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抄録シロイヌナズナ染色体上には22個の原核生物型二成分制御系応答因子(ARR)遺伝子が存在する。これらはその翻訳産物の構造的特徴から分子サイズの小さいAタイプと大きなBタイプとの2種類に分類される。後者に属するARR1(他のメンバーもおそらく同様と思われる)は核に局在し、塩基配列特異的DNA結合能を有する転写因子である。ARR1のN末端に位置するシグナル受容ドメイン(以下RRと略す)がARR1活性を制御しており、RRドメインを欠失したARR1△RRはARR1より高い転写活性化能を示す。ARR1あるいはARR1△RRを過剰発現する形質転換シロイヌナズナやARR1欠損株の解析から、ARR1遺伝子の転写量あるいは翻訳産物の活性の多寡と外因性サイトカイニンに対する植物の感受性の高低とが対応することがわかる。ARR6などのAタイプ応答遺伝子群は、ARR1の直接作用により、サイトカイニンに迅速に応答して細胞内の転写量が上昇する。一方、シロイヌナズナは11個の二成分制御系ヒスチジンキナーゼドメイン(以下HKと略す)を含む受容体遺伝子を有する。このうちCRE1など3種がサイトカイニン受容体として働き、おそらくHPtドメインタンパク質(シロイヌナズナは5種のHPt遺伝子をもつ)を仲介役としてARR1などBタイプ応答因子にリン酸リレーでシグナルを伝達している。したがってシロイヌナズナのサイトカイニン応答の細胞内シグナル伝達は原核生物の二成分制御系と同じように、サイトカイニン刺激>CRE1受容体>HPt仲介タンパク質>ARR1転写因子型応答因子>サイトカイニン応答、という道筋を辿る。また、ETR1など5種が機能的に重複してエチレン受容体として働くが、対応する応答因子については不明である。残る3種のHK型受容体のうち、CKI1とCKI2はサイトカイニンとの関わりが、そしてATHK1は浸透圧応答への関与が示唆されているが確かなことは不明である。
索引語アブラナ科;植物生長調節物質;反応;情報伝達;植物;リン酸;機構;遺伝子;サイトカイニン;感受性
引用文献数26
登録日2011年12月08日
収録データベースJASI

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