飯田高原の火山灰土野菜畑における土壌浸食と対策

飯田高原の火山灰土野菜畑における土壌浸食と対策

レコードナンバー651594論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00011920NACSIS書誌IDAN10445441
著者名岩本 保典
書誌名大分県農業技術センター特別研究報告 = Special bulletin of the Oita Prefectural Agricultural Research Center
発行元大分県農業技術センター
巻号,ページ1号, p.1-67(1993-02)ISSN09195262
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抄録夏秋期野菜の域内自給率の向上は、高温多雨の九州における農政上の重要な課題である。このような背景から、冷涼な久住、飯田、阿蘇地域の夏秋キャベツ、夏ダイコン生産は野草地を開畑した傾斜畑での栽培にまで及んでいる。しかし、多雨時期の栽培であるため土壌侵食が激しく、開畑地の荒廃が顕著に進行している。本研究では、野草地を開畑した現地キャベツ畑において、土壌侵食の発生機構を解析し、実用性の高い効果的な防止対策を明らかにした。 傾斜7.2゜、斜面長20mの現地圃場試験により、上下高畦作畦、6~9月単作によるキャベツ慣行栽培における1作期間の流出土量は565±252kg乾土重/a、土層深14mm相当量に達し、その82.5±8.9%が梅雨期に発生することを明らかにした。その原因は、耕起作畦後の期間が短く土壌が膨軟であり、加えてキャベツの地表被覆率もまだ低い状態で梅雨の集中的な降雨にあうためである。これは飯田高原のキャベツ栽培では実際上避けられず、それだけに効果的な土壌侵食防止対策の開発、導入の必要性が大きいと判断された。 流出土量は強度3mm/10mm以上の降雨の運動エネルギー積算値が大きい年ほど多いとされる。しかし、野草地開畑の初年目、2年目は野草残渣の土壌表層混入により、土壌侵食が抑制され、少なくともその間上記の関係が成立しないこと。さらに抑制効果の年次的減少は野草残渣残存量の減少に対応することなどを見出した。 有効な土壌侵食防止対策とされる等高線高畦栽培と上下高畦栽培・下方牧草帯導入は、慣行栽培に比べて1作期間の流出土量を各々80%、30%減少させたが、前者は表面流去水の停滞、後者は圃場内下部への土壌堆積によるキャベツの湿害発生をもたらし、いずれも実用性は低いと評価した。そこで、野草残渣の土壌侵食抑制効果に着目して、裏作導入・残澄渣すき込みの効果を検討した結果、ライムギ裏作・地表25cm高刈り刈株すき込みとキャベツ上下高畦栽培の組合せにより、流出土量は慣行栽培に比べて40%減少し、かつ、キャベツ増収効果もえられ、最も実用的を対策であると評価した。 また、以上の結果に基づき、作物残渣すき込みによる土壌侵食防止効果の活用を基幹とした野草地→野菜畑オ牧草地、牧草地ご野菜畑などの輪換方式を提言した。
索引語火山灰土壌;野菜;畑土壌;侵食;対策;大分県
引用文献数88
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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