セメント・ストランド・スラブにおける木材とセメントの界面の微細構造およびセメント成分の分布

セメント・ストランド・スラブにおける木材とセメントの界面の微細構造およびセメント成分の分布

レコードナンバー672471論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00010758NACSIS書誌IDAN10164318
著者名藤井 智之
宮武 敦
書誌名森林総合研究所研究報告
別誌名Bulletin of the Forestry and Forest Products Research Institute
発行元森林総合研究所
巻号,ページ2巻・ 2号, p.93-109(2003-06)ISSN09164405
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抄録スギ・ストランドとセメントを原料としたスラブ(CSS)の製造条件と製品の性能評価において、内部構造を理解することが重要である。両者の結合状態を把握する目的で木材とセメントの界面付近の微細構造および成分の分布を走査電子顕微鏡-エネルギー分散型エックス線分析装置(SEM-EDXA)を用いて調べた。静的曲げ強度試験に供試したCSS試験体を窒素ガス環流条件で約80分間約250℃で亜炭化することにより木材ストランドを脆弱化し、割裂によりSEM-EDXAに必要な平坦な面を作製した。個々のストランドの表面の最外層にある仮道管の内腔はモルタルで充填され、さらにその内側の2-3層の仮道管にも広がっていた。最外層の仮道管内腔を充填するモルタルの形状は多くの場合、隣接する基盤モルタルと同様に岩状であった。この部分のモルタルのカルシウム(Ca)とケイ素(Si)の構成比率(Ca/Si比)はおおよそ4~5と、基盤のモルタルの約2から高くなっていた。内側の仮道管内腔にはイガ栗状の針状結晶が疎ないし密に集合していた。平滑な破断面のモルタルで充填された仮道管も稀に観察され、そのCa/Si比は常に100以上であった。さらに、CSS試料中の木材ストランドを炎中で灰化することにより、ストランド中のモルタルを残渣として取り出した。その形態および成分の分布状態からモルタルが仮道管の内腔に侵入し、内腔を充填していることが明らかとなった。個々の仮道管中では、モルタルは基盤に近い基部では空隙のほとんど見られない程までに粒子が高密度に凝集し、ストランド内方の先端に向かってその密度が減少していた。時には、Ca/Si比が100以上と著しく高く、かつ壁孔腔等の仮道管壁の立体構造を忠実に写し出している部分が観察された。仮道管内腔を充填する円筒状のモルタルを包み込み、さらに隣接仮道管まで連続するように広がった膜状のモルタルが観察された。そのCa/Si比は13~30であった。この膜状のモルタルは仮道管の細胞壁中に浸透していたものが細胞壁の灰化によって凝集したものと推察される。観察結果に基づいて、基盤からストランドの仮道管中へ物理的に連続するモルタルが木材ストランドと基盤モルタルを機械的に結合しており、さらに仮道管内腔を完全に充填するCa成分で強化されていると推察される。
索引語仮道管;セメント;木材;成分;観察;分布;界面;微細構造;条件;構造
引用文献数14
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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