抗アンドロジェン剤フルタミドの亜急性投与による成熟雄ラット精巣及び下垂体遺伝子発現変化への影響

抗アンドロジェン剤フルタミドの亜急性投与による成熟雄ラット精巣及び下垂体遺伝子発現変化への影響

レコードナンバー681074論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00014744NACSIS書誌IDAA10936678
著者名大迫 誠一郎
窪田 邦宏
黒澤 修一
ほか4名
書誌名The Journal of reproduction and development
発行元Japanese Society of Animal Reproduction
巻号,ページ49巻・ 4号, p.275-290(2003-08)ISSN09168818
全文表示
抄録雄性生殖器官において抗アンドロジェン物質が誘発する遺伝子発現の変化を系統化する過程で、抗アンドロジェンとして広く知られているf1uamide(FM)を亜急性に投与した直後の成熟ラット精巣または下垂体に発現する28種の遺伝子について検討した。FM(25mg/kg/day)を6日間雄ラットに経口投与した。FM初回投与後8日(D8)に精巣内テストステロン()濃度が顕著に増加したが、D36には一日あたりの精子産生量(daily sperm producion)は有意に減少した。D8の精巣および下垂体遺伝子のmRNA量を半定量的R-PCRにより測定したところ、6種の精巣ステロイド産生酵素遺伝子のうち、P450 side chain c1eavage、P450 17α/C17-20 lyaseおよび3β-hydroxyseroid dehydrogenase ypeI(3βHSD)遺伝子のmRNA量は有意に増加したが、17β-hydroxyseroid dehydrogenase ypeIIIはやや減少した。検討された3種のステロイド受容体のうち、精巣ではandrogen recepor(AR)およびg1ucocoricoid recepor(GR)のmRNA量は有意に抑制されていたが(それぞれ29%および35%)、esrogen receporαには変化は認められなかった。性腺刺激ホルモン受容体およびセルトリ細胞特異的遺伝子には明確な変化は認められなかったが、生殖細胞特異的な遺伝子であるlacose dehydrogenase-cのmRNA発現にわずかな増加が確認された。3種の最初期遺伝子のうち、c-mycのmRNAは約1.4倍に増加した。一方で下垂体では、LHβおよびFSHβサブユニットならびに性腺刺激ホルモン放出ホルモン受容体のmRNAが有意に増加していた。これらの結果から、亜急性なFM投与により、まず視床下部・下垂体ホルモンの遺伝子発現が影響され、次に性腺刺激ホルモンの分泌が変化し、その後に精巣のステロイド産生酵素遺伝子の過剰発現が誘導されたことが示された。しかし、高濃度の精巣内にもかかわらず、3βHSD mRNA発現の有意な上昇およびAR mRNA発現の有意な抑制が認められたことについては、精巣内に保持されたhydroxyfluamideの拮抗作用の可能性によると考えられる。今回観察された遺伝子発現の変化についてのデータは、成熟雄動物を用いて抗アンドロジェン物質をスクリーニングするときに有用な資料となるであろう。
索引語遺伝子;精巣;発現;mRNA;投与;下垂体;雄;種;成熟;ラット
引用文献数58
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI

論文アクセスランキング

Copyright 2017 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat