Oryza rufipogon由来の系統RT18Aにおける細胞質雄性不稔および稔性回復の遺伝

Oryza rufipogon由来の系統RT18Aにおける細胞質雄性不稔および稔性回復の遺伝

レコードナンバー683708論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00015170NACSIS書誌IDAN00250548
著者名本村 恵二
石嶺 行男
村山 盛一
書誌名琉球大学農学部学術報告 = The science bulletin of the College of Agriculture, University of the Ryukyus
別誌名The science bulletin of the Faculty of Agriculture, University of the Ryukyus
発行元琉球大学農学部
巻号,ページ50号, p.35-40(2003-12)ISSN03704246
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抄録細胞質雄性不稔性を用いたイネのヘテロシス育種においては、中国の海南島で発見されたWA細胞質が主に用いられている。しかしこの様な特定の細胞質のみを用いた限定的な利用では遺伝的脆弱性が心配される。その解決のためには、多くの雄性不稔細胞質を発見・同定し、遺伝分析を行って優良素材を探索する必要がある。著者等はその点の研究を進めており、今回次のような研究を行った。Oryza rufipogomのK18系統を1回親母本にし、栽培イネ品種、台中65号を反復親父本に用いて8回の連続戻交雑を行って、雄性不稔系統R18Aを得た。同系統の花粉は球形であるが正常花粉に比べて小さく、また正常花粉が染色液で濃紫色になるのに対して同花粉は薄い褐色を示した。これらの花粉は活性を持たず、したがって種子稔性も完全不稔であった。この花粉退化の様式は既に報告したR61C系統のそれと似ており、同系統の稔性回復遺伝子を用いてR18Aの雄性不稔性の遺伝分析を行い、併せてR18A系統の細胞質の同定を試みた。両系統および台中65号を材料に用いて交雑実験を行い、以下の結果を得た。稔性は細胞質と核内の稔性回復遺伝子との相互作用により支配されていた。すなわち、正常細胞質(mfc)のもとでは稔性回復遺伝子(Rf1(1)-rf)の優劣に関係なく、花粉が正常に発育し、受精が行われるため種子稔性も正常であった。雄性不稔細胞質(msc1)のもとでは、Rf1(1)遺伝子を持つ花粉は正常であるが、rf遺伝子を持つ花粉は途中で発育を停止し不稔となった。そのため雄性不稔細胞質のもとでは遺伝子型により花粉および種子稔性が異なった。(msc1)Rf1(1)Rf1(1)では花粉は球形で濃染し正常であり、種子稔性も正常であった。(msc1)Rf1(1)rfではRf1(1)花粉は正常であるがrf花粉は不稔であった。種子稔性は、(msc1)rfrf個体以外は高かった。(msc1)Rf1(1)rf個体の自殖後代では、不稔個体が生ぜず、配偶体支配型の花粉不稔を示すことがわかった。以上の結果はR61Cに見られた雄性不稔および稔性回復の遺伝に酷似しており、R18Aの細胞質はR61Cのそれと同一の可能性が高かった。しかし、確実な同定のためには他の複数の稔性回復遺伝子との間で示される稔性反応を調べる必要がある。
索引語花粉;稔性;細胞質;系統;雄性不稔;遺伝子;種子;不稔;遺伝;性
引用文献数10
登録日2011年12月08日
収録データベースJASI, AGROLib

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