遊休農林地に放牧した黒毛和種経産老廃牛の肉質及び飼養方法の評価

遊休農林地に放牧した黒毛和種経産老廃牛の肉質及び飼養方法の評価

レコードナンバー690461論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20007675NACSIS書誌IDAA11636410
著者名谷本 保幸
千田 雅之
小山 信明
書誌名近畿中国四国農業研究センター研究報告
別誌名Bulletin of NARO Western Region Agricultural Research Center
Bull. Natl. Agric. Res. Cent. West. Reg.
近中四農研報
発行元農業技術研究機構近畿中国四国農業研究センター
巻号,ページ3号, p.1-14(2004-03)ISSN13471244
全文表示PDFファイル (964KB) 
抄録本研究では,下記1)の条件で遊休農林地に放牧した黒毛和種経産老廃牛肉の理化学的特性,栄養成分及び官能検査などの肉質評価を,濃厚飼料多給した黒毛和種若齢肥育去勢牛肉と比較検討した。また,放牧飼養などの牛肉生産方法や牛肉の栄養成分の表示やその含量などに関するアンケート調査も併せて行った。1) 5月の放牧開始時に栄養度判定で「太り気味」の経産牛を遊休農林地に密度0.7~1.9頭/ha/日で半年間輪換放牧した結果,54kg増体し,肥育効果を認めた。2) 放牧経産牛肉は若齢肥育牛肉にくらべBMSNo.は有意に低く,BCSNo.及びBFSNo.は有意に高かった(P<0.05)。色彩分析計によって測定したL*値,a*値及びb*値もBCSNo.と同じく,放牧経産牛肉が有意に高かった(P<0.05)。クッキングロス,剪断力価及び貯蔵中のドリップロスは放牧経産牛肉が高い傾向を示した。3) 放牧経産牛肉は若齢肥育牛肉にくらべ粗脂肪含量及び全不飽和脂肪酸含量が有意に低く,その他の成分はカルシウムを除いて必須アミノ酸8種を含む16成分で有意に高かった(P<0.05)。4) 官能(食味)検査の総合評価では,若齢肥育牛肉の評価が最も高く,輸入牛肉,放牧経産牛肉の順であったが(P<0.05),「風味」では牛肉間の有意差を認めず,放牧経産牛の絶対的総合評価は中程度と判定された。5) アンケート調査では,「放牧飼養」は「好ましい」以上の回答割合が90%以上と,飼養方法としての評価は極めて高かった。6) 放牧経産牛肉の栄養成分は若齢肥育牛肉にくらべ,アンケート調査の「好ましい牛肉栄養成分量」の結果に近似した。以上の結果から,1)の条件下での放牧経産老廃牛肉は,現行の市場評価では若齢肥育牛肉より劣るが,食味は中程度で,栄養成分含量及び放牧飼養が消費者の意向に合致するものと推察された。遊休農林地放牧は,これまで肉用牛の繁殖子取り生産や環境保全面から推進されてきたが,肉用経産牛肉の省力的な生産目的での活用が見込まれる可能性がある。
索引語牛肉;放牧;評価;成分;肥育;栄養;林地;種;生産;アンケート
引用文献数24
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

論文アクセスランキング

Copyright 2017 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat