放牧導入による棚田跡地の保全的利用

放牧導入による棚田跡地の保全的利用

レコードナンバー690462論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20007675NACSIS書誌IDAA11636410
著者名井出 保行
小山 信明
佐藤 節郎
高橋 佳孝
書誌名近畿中国四国農業研究センター研究報告
別誌名Bulletin of NARO Western Region Agricultural Research Center
Bull. Natl. Agric. Res. Cent. West. Reg.
近中四農研報
発行元農業技術研究機構近畿中国四国農業研究センター
巻号,ページ3号, p.15-36(2004-03)ISSN13471244
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抄録牛の放牧による棚田跡地の保全的利用を推進するため,放牧下における畦畔法面の維持・管理法を検討した。1 裸地の発生は,不適切な牧柵の設置に起因するものが大半を占めた。なかでも,畦畔法面の上縁に牧柵が設置された場所では,非常に広範な裸地が発生した。牧柵に起因する裸地は,その設置場所を改善することで回避できると考えられた。2 耕作放棄棚田のような管理が不十分な場所では,畦畔法面の植生がススキ型を示すものが多い。ススキは,被食耐性が小さいため,放牧の導入によって速やかに衰退した。加えて,水田面における排水不良や牛糞の集積に起因する可食草量の低下は,畦畔法面に対する放牧攪乱を相対的に強め,ススキの衰退をより加速させたと推察された。畦畔法面は土壌養分が乏しく,ススキが衰退すると裸地化が急速に進行した。そのため,畦畔法面の植生がススキ型を示す場合は,優占種をより放牧耐性のある草種に移行させることが必要と考えられた。3 放牧牛が畦畔法面を保全的に利用するために必要な牛道について,畦畔法面に形成される牛道の本数は次式によって推定可能であった。牛道の発生本数≒法面の高さ(cm)÷120-1但し,小数点以下は切り上げ また,法面上に安定的な牛道を形成させるためには,法面上に存在する障害物を除去し,放牧頭数や放牧時期に留意することが必要と考えられた。4 西南日本では,放牧下にある畦畔法面に適する草種として,シバ(Zoysia japonica Steud.)およびセンチピードグラス(Eremochloa ophiuroides (Munro) Hack.)が有望と考えられた。これらの草種を畦畔法面の植生内に導入するには,直径9cmのポット苗を移植する方法が有効であった。5 畦畔法面に形成された規模の大きな裸地を修復するには,シバのソッド苗(30cm×18cm)を生牛糞の混合物で接着する方法が有効であった。
索引語法面;放牧;導入;棚田;保全;利用;発生;植生;衰退;草
引用文献数55
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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