サクラバハンノキ(Alnus trabeculosa Hand.-Mazz.)の保全に関する遺伝・生態学的研究

サクラバハンノキ(Alnus trabeculosa Hand.-Mazz.)の保全に関する遺伝・生態学的研究

レコードナンバー692558論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00012133NACSIS書誌IDAN10413139
著者名宮本 尚子
書誌名林木育種センター研究報告
別誌名研究報告
Bulletin of the Forest Tree Breeding Institute
発行元林野庁林木育種センター
巻号,ページ20号, p.19-82(2004-03)ISSN09185828
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抄録サクラバハンノキの保全について考察することは,ハンノキ属樹種の育種のみならず,各種生物種多様性保全のためにも重要な意義がある。本研究は,このような観点から,サクラバハンノキの遺伝および生態的特性を解析し,保全に関する基礎的知見を得ようとしたものである。1.サクラバハンノキは,同属で同様のニッチをもつハンノキと比較して,萌芽能力が高いこと,また湿地が保全されていればその高い萌芽能力により個体の維持が可能であること,つまり湿地の保全がサクラバハンノキの保全にきわめて重要であることが明らかになった。2.集団遺伝学的手法を用いて,サクラバハンノキのもつ遺伝的多様性を評価したところ,種レベルにおける遺伝的多様度を示す統計量はPs=75.0, As=3.42, Aes=1.35およびHes=0.222となり,集団レベルではPp=58.3, Ap=2.14, Aep=1.35, Hep=0.199となって,いずれの値も木本植物の平均値より高いことが認められた。また,G ST値は0.146と高く,サクラバハンノキが種としてもつ遺伝変異のうち,14.6%が集団間の差に由来することが明らかになった。この値は木本植物の中では比較的大きく,したがって保全の際には個体数が大きい集団を選ぶのはもちろんのこと,保全の対象とすべき集団数も多くすることが望ましいことが明らかになった。3.集団内の空間的自己相関は若齢の集団で強く,老齢の集団では弱く,同一集団でも5年後に若干弱まった。また伐採があった集団では遺伝構造が強まることが認められた。集団内遺伝構造が弱い集団は,遺伝的な組成がよく似た個体どうしが集中分布していないことになる。したがってそのような集団を生息域内保全の対象として優先的に選抜することにより,効率的に遺伝的多様性が保全できると考えられた。また,集団内遺伝構造が強い集団では保全やサンプリングの際にその存在に留意する必要があることが示された。
索引語集団;保全;遺伝;種;個体;構造;研究;属;萌芽;能力
引用文献数108
登録日2011年12月19日
収録データベースJASI, AGROLib

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