ヒラメ栽培漁業における親魚の遺伝的管理に関する研究

ヒラメ栽培漁業における親魚の遺伝的管理に関する研究

レコードナンバー692581論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20003079NACSIS書誌IDAA11589591
著者名關野 正志
書誌名水産総合研究センター研究報告
別誌名水研センター研報
Bull. Fish. Res. Agen
発行元水産総合研究センター
巻号,ページ11号, p.31-91(2004-03)ISSN13469894
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抄録近年の生物多様性の保全に対する関心の高まりとともに、種内に維持されている遺伝的多様性の重要性が認識されるようになってきた。遺伝的多様性の損失は、種が潜在的に持っている再生産力、環境変動への適応性、疾病に対する抵抗力等の低下を導くおそれがある。栽培漁業における種苗生産では、少数の天然魚または継代飼育個体を親魚として用いることが多いため、一般的に種苗の遺伝的多様性は低下している。遺伝学的観点から見た栽培漁業の問題点として、人工種苗の大量放流により、天然魚群の遺伝的多様性が低下し、天然魚が潜在的に持つ生産力が減少すること、また育種素材としての遺伝子資源の損失を招くリスクがあることが挙げられる。ヒラメParalichthys olivaceusは、重要な増養殖対象種となっており、全国の沿岸域で栽培漁業が展開されている。これまでのヒラメ人工種苗生産では、遺伝的多様性の保全に対する関心は高いとは言えず、疾病・斃死防除による効率的大量生産に焦点が当てられてきた。今後の種苗生産では、量的な到達目標を設定するだけでなく、種苗の遺伝的多様性を高く保ち、天然資源への遺伝的影響を最小限にするという、遺伝的な質の向上を目指していく必要がある。本研究では、ヒラメのDNAマーカーを開発し、それを用いて、天然魚と放流種苗の保有する遺伝的多様性・特徴を把握した上で、人工種苗の遺伝的多様性の損失を軽減しうる種苗生産法について考察した。本論文は全7章で構成される。第1章で研究の背景と目的について述べ、第2章では、ヒラメのマイクロサテライトDNA座を単離し、DNAマーカーとしての利用性・妥当性を検証した。第3章では、マイクロサテライトDNA解析とミトコンドリアDNA調節領域シーケンス解析により、天然ヒラメ集団の持つ遺伝的多様性を見積もるとともに、その遺伝的集団管理単位を把握するため、地域間の遺伝的異質性を調べた。第4章で、実際のヒラメ人工種苗と天然魚集団の遺伝的多様性を比較し、第5章では、マイクロサテライトDNAマーカーをヒラメ人工種苗の親子判別技術に応用して、本手法の人工種苗の遺伝的多様性モニタリングにおける有効性を実証した。第6章では、マイクロサテライトDNAマーカーを用いて人工種苗の血縁関係の推定を試み、それを指標とした遺伝的多様性の損失を軽減するための種苗生産法について考察した。第7章では、今後のヒラメ種苗生産のあり方について言及した。
索引語ヒラメ;人工種苗;DNA;種苗生産;マーカー;研究;種;種苗;集団;親
引用文献数141
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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