条件付自己回帰モデルによる空間自己相関を考慮した生物の分布データ解析

条件付自己回帰モデルによる空間自己相関を考慮した生物の分布データ解析

レコードナンバー780584論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00015063NACSIS書誌IDAN00193852
著者名深澤 圭太
石濱 史子
小熊 宏之
武田 知己
田中 信行
竹中 明夫
書誌名日本生態學會誌
別誌名日生態会誌
Jpn. j. ecol
Japanese journal of ecology
日本生態学会誌
発行元日本生態学会暫定事務局
巻号,ページ59巻・ 2号, p.171-186(2009-07)ISSN00215007
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抄録野外の生物の分布パターンは生育に適した環境の分布や限られた移動分散能力などの影響をうけるため、空間的に集中した分布を持つことが多い。データ解析においてはこのような近隣地点間の類似性「空間自己相関」を既知の環境要因だけでは説明できないことが多く、近い地点同士ほど残差が類似する傾向がしばしば発生する。この近隣同士での残差の非独立性を考慮しないと、第一種の過誤や変数の効果の大きさを誤って推定する原因になることが知られているが、これまでの空間自己相関への対処法は不十分なものが多く見られた。近年、ベイズ推定に基づく空間統計学的手法とコンピュータの能力の向上によって、より現実的な仮定に基づいて空間自己相関を扱うモデルが比較的簡単に利用できるようになっている。中でも、条件付き自己回帰モデルの一種であるIntrinsic CARモデルはフリーソフトWinBUGSで計算可能であり、生物の空間分布データの解析に適した特性を備えている。Intrinsic CARモデルは「空間的ランダム効果」を導入することで隣接した地点間の空間的な非独立性を表現することが可能であると共に、推定された空間的ランダム効果のパターンからは対象種の分布パターンに影響を与える未知の要因について推察することができる。空間ランダム効果は隣接した地点間で類似するよう、事前分布によって定義され、類似の度合いは超パラメータによって制御されている。本稿では空間自己相関が生じるメカニズムとその問題点を明らかにした上で、Intrinsic CARモデルがどのように空間自己相関を表現しているのかを解説する。さらに、実例として小笠原諸島における外来木本種アカギと渡良瀬遊水地における絶滅危惧種トネハナヤスリの分布データヘの適用例を紹介し、空間構造を考慮しない従来のモデルとの比較からIntrinsic CARモデルの活用の可能性について議論する。
索引語空間自己相関;Intrinsic;CARモデル;考慮;生物;地点間;類似;自己回帰モデル;分布;モデル
引用文献数52
登録日2011年04月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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