松島湾の水産資源に関する基礎研究(1)

松島湾の水産資源に関する基礎研究(1)

レコードナンバー843835論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20004301NACSIS書誌IDAN00167397
論文副題松島湾の底質について
著者名奥田 泰造
佐藤 省吾
書誌名東北海区水産研究所研究報告
別誌名東北海区水産研究所研究報告
巻号,ページ4号, p.187-207(1955-03)ISSN 
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抄録松島湾は大小多くの島々によって囲まれ、比較的狭隘な5つの水道によって外海と通じている。湾内は東名運河・貞山運河及び高城川から淡水が流入し、澪などの一部を除いて2~3mの水深でアマモの繁殖が著しい。こうした地形上の条件を大きく反映して、湾内の潮流は概して弱く、底土は微細な粒子からなっている。底土の性状を知るために、比重・粒度分析と共に、有機物質(有機炭素・灼熱減量・全窒素)、硫化物及び可溶性無機栄養塩(SiO3-Si・PO4-P・NH3-N)などの化学分析を行い、次の様な結果がえられた。(1)比重は2.3~2.7を示し、大部分は2.5~2.65程度の値であった。(2)粒子組成は湾口部を境として、湾内と湾外との性状が劃然と異なり、湾外では砂質であるのに反して、湾内では微細な泥質となっている。中位粒径(Md)についてみると、湾奥では10μ以下で、湾口部でも大部分100μ以下の値を示している。一方湾外では10μ以下の微粒子は全く含まれず、大部分が100μ以上の粒径を持ったものからなっており、中位粒径も150μ以上となっている。(3)So、Sk及び中位粒径(Md)の各値を求めて、粒度分析との関係を吟味し、さらにそれらの値から底土の性状について考察した。(4)硫化物は0.11~1.4‰の範囲で、湾奥部で高く、湾口部で低くなっているが、概して0.50‰前後の値を示す地点が多かった。(5)有機炭素・灼熱減量及び全窒素の分布は、硫化物の分布と極めてよく類似している。有機炭素は1.17~3.96%、灼熱減量は6.0~16.0%、全窒素は0.100~0.301%を示した。またC/Nは11.2~16.9であった。(6)有機炭素量と10μ以下の粒子の含量との間には、正の相関性が認められる。(7)C/N値や硫化物含量からも知られる様に、沈殿した有機物質の分解は、概して有機物含量の大きい割合に、順調に進捗しているものの様である。これは水深が浅いため、底土への光・酸素などの供給が豊富であることによると考える。(8)可溶性栄養塩含量の分布は、有機炭素等の分布とは可なりその傾向を異にし、有機炭素量等の大きい値を示した地域でも、栄養塩含量は必ずしも高い値を示さなかった。
索引語値;有機炭素;松島湾;湾内;底土;分布;硫化物;性状;灼熱減量;全窒素
引用文献数23
登録日2014年08月22日
収録データベースJASI, AGROLib

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