カツオの餌付に関する研究(1)

カツオの餌付に関する研究(1)

レコードナンバー843911論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20004301NACSIS書誌IDAN00167397
論文副題東北海区のカツオの餌付と消化管との関係
著者名堀田 秀之
狩谷 貞二
小川 達
書誌名東北海区水産研究所研究報告
別誌名東北海区水産研究所研究報告
巻号,ページ13号, p.60-78(1959-03)ISSN 
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抄録カツオ竿釣漁業では餌イワシや擬餌鈎に対する索餌要求の度合を餌付(エッキ)という言葉で表現している。カツオ漁船は1航海中に100余群のカツオ群に遭遇し乍ら、漁獲出来るのはその内僅か数群に過ぎない。この原因が「餌付不良」である。従って餌付の良否はカツオ竿釣漁業にとっては重要な問題である。著者は1949年以来色々な餌付状態のカツオ群から採集された消化管を解剖して、餌付状態との関係について吟味し、得られた結果は次の通りである。(1)カツオの消化管の壁の基本的組織層は粘膜、粘膜下組織、筋層、奨膜よりなり、その筋層の縦走筋、輪走筋の2つの筋肉層によって、胃の収縮・拡張が行われ、胃壁は厚い壁をなしたり時には紙の様に甚だ薄くなってしまう。それに伴って粘膜の表層にある粘膜上皮も収縮・伸展し、ここに胃縦走粘膜皺襞が出現したり消失したりする。(2)カツオの空胃の時の胃の長さは魚体に比例して大きくなり、それは腹腔の約80%を占めるが、食餌量に伴って胃長は伸びて腹腔一杯にのびる(胃内容重量指数10~20)、それ以上の摂餌になると横に膨らみ始め、この頃粘膜皺襞は完全に消失する。カツオの胃は消化が終わってもまだ収縮しない状態にあって、遅れがみられる。(3)色々な餌付状態があるが漁業者の主観の上で最も合理的なものは良好・不良・極不良(ナシ)の3つの分類である。この餌付状態の分類規準は次の様である。餌付良好群・・・餌付並、稍良好、良好、極良好群と報告された群と不良と報告されたが1000貫以上漁獲のあった群 餌付不良群・・・餌付不良、極不良と報告された100~1000貫漁獲のあった群 餌付極不良群・・・餌付不良、極不良或はナシと報告された100貫以下漁獲のあった群 (4)カツオの消化管内容物としてはイワシ類が最も多く、餌付良好群の胃には新鮮な餌イワシの出現率が高く、腸ではアミ類の出現率が高い。餌付不良群・極不良群では消化の進んだものの出現率が高かった。このことは撒餌をとる群は餌付良好で、天然餌料をとっていて撒餌を余りとらぬ群は餌付不良群である。(5)どの餌付状態の群でも空胃のものが高い割合で釣獲されている。従って摂餌行動の活発の度合(食欲の強さ)は先ず第1に空腹の状態(生理的条件)によって決められる。特に餌付良好群では同じ空胃であっても、胃粘膜皺襞が完全なものと消失したものとが混在しており、皺の完全な絶食状態にあった魚の摂餌行動の刺戟によって、皺の消失した回復期にある魚も釣獲されるといった群衆行動なり、群の中でこの様な空胃の魚が占めている割合によって、群全体の摂餌行動が促進されるといった社会的条件も考慮しなければならないことが新たに提起された。
索引語群;カツオ;餌付;摂餌行動;魚;餌付状態;胃;層;消失;報告
引用文献数9
登録日2014年08月22日
収録データベースJASI, AGROLib

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