カラスガレイの生態

カラスガレイの生態

レコードナンバー843983論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20004301NACSIS書誌IDAN00167397
著者名三河 正男
書誌名東北海区水産研究所研究報告
別誌名東北海区水産研究所研究報告
巻号,ページ23号, p.1-43(1963-06)ISSN 
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抄録1.1957年~'62年の間に、金華山沖合以北の東北・北海道太平洋岸から、南千島,北千島を径てベーリング海に至る海域で、機船底曳網とオッタートロール網によって採集されたカラスガレイについて研究した。2.カラスガレイはアブラガレイと形態的によく似ているが、眼径,上眼の位置,両眼間隔,上顎歯,鰭蓋前骨縁,耳石,鱗,脊椎骨数等で区別される。3.カラスガレイの分布は日本海にはなく、オホーツク海でも少ない。主な生息水域は北千島沖以北のベーリング海の深海部であり、千島列島東側沿いに分布して、金華山沖に達している。4.東北・北海道沖合にカラスガレイが出現し始めたのは、1956年頃からである。1957年に急激に増加し、それ以後'59年まで減少したが、'60年頃より又増加している。この傾向は南・北千島沖でも同様である。襟裳沖合では主な魚群は12月~5月は200m以深におり6月~11月は200m以浅に移る。5.1年1回形成される椎体輪紋測定結果から、雄では15年(体長66.6cm)まで、雌では20年(体長81.6cm)まで推定された。成長曲線は第9図のように直線的であり、8年以上ではアブラガレイより成長はよくなる。6.襟裳岬以南では体長40cm未満の若年魚が多く、体長60cm以上の高年魚は北千島以北ベーリング海の深所に多い。ベーリング海では水深によって体長組成が違うが、襟裳岬沖以南では体長の巾が狭いため、そのような傾向はみられない。7.カラスガレイの成熟体長は60cm以上で、成熟卵径は大きく4mm位である。産卵は冬期400m以深で行なわれる。8.口裂は大きく、顎歯は大型で鋭い犬歯状であり、上顎前部には2~6個の牙歯がある。鰓耙数は少ないが強固であり、胃は大きくU型で極度の膨張性に富んでいる。腸の長さは体長の凡そ1/2,幽門垂は腸管と同じ太さのものが4個あり、胆嚢は極めて大きい。消化器管の形態はアブラガレイとよく類似している。9.主な餌は魚類で、ハダカイワシ類,スケトウダラ,マダラ,カタクチイワシ,ニシン等が多い。その他スルメイカ,ホタルイカ,エビ類,エビジヤコ類をとっている。餌料構成は海域毎に特性がみられるが、これは摂餌の場における環境指数とみるべきである。又アブラガレイのように体長による餌の変化はない。カラスガレイの摂餌量は夏-秋季に多い。10.各海域の標本について、計数部位4,相対成長4,計8形質の検討の結果、カラスガレイの系統には大きくわけてロバッカ系統の群と、ベーリング海中央部-南東部系統の群との2つが想定された。11.生態的な面の追求と、海域間の形態を比較した結果から、東北・北海道太平洋岸のカラスガレイは、ロバッカ以北の海域から補給されたものと推論された。
索引語カラスガレイ;アブラガレイ;体長;結果;群;ベーリング海;東北;海域;餌;形態
引用文献数81
登録日2014年08月22日
収録データベースJASI, AGROLib

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