省力養蚕における蚕の力学的衝撃に対する抵抗性

省力養蚕における蚕の力学的衝撃に対する抵抗性

レコードナンバー845064論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00009368NACSIS書誌IDAN00142341
著者名本間 正司
松嶋 一彦
書誌名千葉県蚕業試験場報告
発行元千葉県蚕業試験場
巻号,ページ9号, p.43-52(1974-05)ISSN
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抄録省力養蚕技術体系下において蚕がうけやすい力学的衝撃についてその影響程度と抵抗性を知るために、春蚕期および夏蚕期において各調査事項の衝撃に対応した実場面の供試蚕を採択し、力学的実験の手法に準拠して調査した。なお、蚕の抵抗性については蚕体の正常位に対する垂直方向から各種の衝撃を投与して、蚕体の生理的異常発現や虫繭質に及ぼす影響によって診断した。その結果の要約は次のとおりである。(1)蚕の静荷重に対する抵抗性 対個体静荷重の抵抗性では、上蔟前日蚕>5令盛食蚕(5日目)>5令初期蚕(1日目)の強弱関係があり、10秒間程度の一時的静荷重圧に対しては蚕体重に対比して5令初期蚕で約900倍、盛食蚕や上蔟前日蚕で約360倍にも及ぶ重量に加圧されても蚕体に肉眼的異常現象がなく、とくに5令初期蚕は体重比の関係からみると驚くべき抵抗性があった。なお、蚕体応力の破断点の比較でも5令初期蚕>上蔟前日蚕>5令盛食蚕の強弱関係が認められた。(2)蚕座の堆積荷重に対する抵抗性 上蔟前日蚕および5令2日目蚕の蚕座を供試し、除沙時の?離蚕座(除沙網挿入後において1日分の条桑給与量を食下した蚕座)を30分間、2~6重に積重して最大の積載荷重が1.35m2当り60Kg前後に及んでも虫繭質に影響が認められなかった。このように蚕は静荷重や蚕座の堆積荷重に対して実際の飼育面で想定していた以上の大きな抵抗性を示し、効率的な作業体系を組立てるうえでの参考資料を得た。(3)蚕の撃力に対する抵抗性 上蔟前日蚕や熟蚕などの条払い作業に関与する蚕に約150g重の撃力を与えると生理的な異常蚕が発現し、虫繭質を阻害する影響が認められた。このことから静的に荷重される力圧に対しては抵抗力は強いが、動的,瞬間的に加わる力圧に対しては比較的に弱いこと、また、上蔟前日蚕は熟蚕に比べて撃力の影響を受けやすいことなどが考察され、これらの抵抗性に配慮した取扱いが必要であることを認めた。(4)蚕の落下衝撃に対する抵抗性 上蔟前日蚕および熟蚕など、条払いや上蔟の取扱いに関与する蚕を種々の落垂部位からコンクリートの床面に直接落下させて衝撃を投与し、虫繭質への安全限界距離点を索定したところ、上蔟前日蚕で約80cm、熟蚕で約120cmまでが実用的な安全限界点であり、これを超越した強度の落下衝撃を与えると生理的異常蚕の発現が多くなり、健蛹歩合も低下して屑繭が増加し、虫繭質に対して明らかに悪影響のあることが認められた。
登録日2015年08月19日
収録データベースJASI, AGROLib

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