鶏コクシジウム症の対策および今後の戦略

鶏コクシジウム症の対策および今後の戦略

レコードナンバー850019論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00011607NACSIS書誌IDAN0007252X
著者名川原 史也
書誌名鶏病研究会報
別誌名Journal of the Japanese Society on Poultry Diseases
鶏病研究会報
巻号,ページ48巻・ 3号, p.185-192(2012-11)ISSN0285709X
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抄録Eimeria原虫の感染によって引き起こされる鶏コクシジウム症は,現在の集約的な養鶏産業において極めて多大な経済的被害をもたす疾病の一つである。多くの場合,飼料中に抗コクシジウム予防剤(飼料添加物)を混合して投与することによって発症を抑制している。予防剤は優れた有効性および安全性を有する上に低コストであるため,これまで予防対策の中心的役割を果たしてきた。近年は,新たな薬剤が上市されて更新されることもほとんど見られなくなったが,その一方で予防剤の代替法として注目を集め,普及するようになったのが生ワクチンである。鶏コクシジウム原虫を弱毒化する実用的な技術が確立され,より安全性を高めた生ワクチンが開発できるようになったためである。鶏の体内で早期に増殖する原虫集団のみを次代に用いる極めてユニークな継代方法を重ねて得られる系統は,早熟株もしくは早熟化弱毒株と呼ばれている。現行の鶏コクシジウム症生ワクチンの欠点の一つは,製造コストの削減に限界があることである。鶏コクシジウム原虫はin vitro培養することができないため,生ワクチンの製造に鶏生体を使用せざるを得ない事情による。今後,生ワクチンの有用性と製造コスト削減を両立する一つの手段は,多価鶏コクシジウム原虫ベクター型ワクチンであろうと考えられている。種毎に異なる防御抗原遺伝子をいくつも搭載し,かつそれらをまとめて発現する単一の鶏コクシジウム原虫を人為的に作出することができれば,全種に対する免疫をまとめて誘導することが可能となる。現段階では,組換え鶏コクシジウム原虫を利用した生ワクチンの開発は技術的にも障害が大きいが,将来は鶏コクシジウム症対策の主流になることは間違いない。
索引語生ワクチン;予防剤;鶏コクシジウム原虫;鶏コクシジウム症;鶏;安全性;開発;低コスト;早期;in vitro培養
引用文献数13
登録日2013年06月13日
収録データベースJASI, AGROLib

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