サイクロン・ナルギスによる稲作被害とその回復過程

サイクロン・ナルギスによる稲作被害とその回復過程

レコードナンバー850194論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20034893NACSIS書誌IDAA12327127
論文副題イラワジデルタにおける被災後3年間
著者名松田 正彦
書誌名熱帯農業研究
別誌名Research for tropical agriculture
発行元日本熱帯農業学会
巻号,ページ5巻・ 2号, p.88-96(2012-12)ISSN18828434
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抄録2008年5月,大型のサイクロン「ナルギス」がミャンマー連邦共和国のイラワジデルタを横断し,同国史上最悪の災害をもたらした。本稿は,被災地域の主生業である雨季稲作において,減収の程度と被災から3年間の回復状況の実態を示すことを目的とする。そのために,複数の情報源からのデータを提示し相互に比較した。データソースは,ミャンマー政府の農業統計,国際合同調査の報告書,および著者による被災農村での聞き取り調査である。その結果,多くのデータで被災直後の雨季稲作(2008年)における広範囲の生産低下が確認されたが,政府統計からはそれを読みとることができなかった。今回の災害においては政府公式統計を代替する意味で,国際合同調査や個別の現地調査のデータが記録としてより重要だといえる。また,被災翌年(2009年雨季作)には収量がはやくもナルギス被災以前の収量水準まで回復している事例がある一方で,3年目となる2010年雨季作でもなお平年収量水準の半分以下にとどまっている地域もあった。後者においては調査時点で稲作生産における被害回復の兆しがみえておらず,依然として支援が必要とされているとともに継続的な調査も重要である。加えて,農業分野での被災地支援においては,政府系機関の果たした役割も大きかったことが示唆された。本災害からさらなる教訓を得るためには,今後,稲作生態の多様性や支援活動の様相をも考慮して,被害の発生と回復(あるいは継続)のメカニズムを分析する必要がある。
索引語ナルギス;データ;サイクロン;イラワジデルタ;回復;災害;雨季稲作;国際合同調査;調査;稲作被害
引用文献数22
登録日2013年07月10日
収録データベースJASI, AGROLib

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