近畿大学奈良キャンパスにおけるエゴノキとヤマガラの関係に関する研究

近畿大学奈良キャンパスにおけるエゴノキとヤマガラの関係に関する研究

レコードナンバー852875論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00014138NACSIS書誌IDAN00064044
著者名平野 綾香
桜谷 保之
書誌名近畿大学農学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Agriculture of Kinki University
発行元近畿大学農学部
巻号,ページ46号, p.101-132(2013-03)ISSN04538889
全文表示PDFファイル (23106KB) 
抄録動物散布によって種子を運ばれる植物は,動物と共進化してきたと考えられている。なかでも,鳥類は種子を散布して森林の更新に影響を与えている。本研究でとりあげるヤマガラは,シジュウカラ科に属する鳥であり,植物の果実を貯蔵し,あとで取りだして食べる行動をすることが知られている。そして,エゴノキはエゴノキ科に属する落葉小高木であり,これまでに近畿大学奈良キャンパス内(以下,本調査地)でヤマガラがエゴノキの果実を運ぶところが観察されている。そこで本研究では,本調査地内に生息するエゴノキとヤマガラには共生関係があるのかについて調査することを目的とし,さらに,本調査地におけるエゴノキの管理・保全方法そしてヤマガラの保全方法について考察を行った。調査は,本調査地内において,ヤマガラのラインセンサス調査(2011年4月~12月),エゴノキの分布調査,ヤマガラによるエゴノキ果実の貯蔵行動調査(2011年8月~10月)を行った。そして,本調査地内で2011年7月~10月に採集したエゴノキの種子を使用してテトラゾリウム試験法を用いた実験を行った。また,本調査地外で採集したエゴノキの種子を用いての実験も行った。調査の結果,ヤマガラはエゴノキの種子が熟す時期の日中の間,エゴノキに頻繁に通い,種子を長距離運び貯蔵し,さらには,エゴノキの種子をめぐってヤマガラ同士で争う(仮貯蔵,威嚇)行動が見られた。そして,ヤマガラがエゴノキの種子を親木から離れた場所へ運び,地面に貯蔵するところが観察された。種子実験の結果からは,ヤマガラがエゴノキの種子を地面に貯蔵することで種子の生存率を高めていることが考えられた。分布調査では,まだ実をつける能力がない若いエゴノキが周囲に親木のない場所で多く見られた。これらのことから,本調査地内に生息するヤマガラにとってエゴノキの種子は重要な食料であることが考えられ,また,ヤマガラがエゴノキの種子散布者として機能していることが考えられたことから,本調査地内のエゴノキとヤマガラには共生関係があることが考えられる。そして,若いエゴノキが密集して生えていた場所は,以前人の手によって間伐された場所であったことから,エゴノキは日光の当たる明るい場所であるほうが発芽・生育しやすいことが考えられたため,本調査地内のエゴノキを保全する方法の一つとして,本調査地内の里山林の定期的・継続的な間伐・整備をすることを提案する。
索引語エゴノキ;ヤマガラ;種子;本調査地内;場所;調査;貯蔵;本調査地;果実;行動
引用文献数17
登録日2014年02月21日
収録データベースJASI, AGROLib

論文アクセスランキング

Copyright 2017 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat