熱帯林の土地利用変化に伴う生態系サービスの変化

熱帯林の土地利用変化に伴う生態系サービスの変化

レコードナンバー900217論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00015063NACSIS書誌IDAN00193852
著者名安立 美奈子
伊藤 昭彦
書誌名日本生態學會誌
別誌名日生態会誌
Jpn. j. ecol
Japanese journal of ecology
日本生態学会誌
発行元日本生態学会暫定事務局
巻号,ページ65巻・ 2号, p.135-143(2015-07)ISSN00215007
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抄録人類は生態系サービスから多くの恩恵を受けているが、その活動により多くの生態系サービスは劣化したと報告されている。森林や湿地などの自然生態系の減少・劣化の傾向は進み、多くの種が絶滅の危機に瀕し、自然災害の増加や枯渇した資源を巡る争いが世界各地で起きている。陸域生態系の中でも熱帯林の炭素保持機能は他の地域に比べて非常に高く、さらに多種多様な生物の生息域としての役割も担っている。熱帯域では1万km2あたりに5,000種以上が生息すると言われ、生物多様性のホットスポットの多くは熱帯林に存在している。このように生物多様性と生態系サービスの経済的評価において、どちらの視点においても熱帯林は非常に価値が高いことが、多くの文献によって示唆されている。このように熱帯林は人々に多くの生態系サービスを提供しているにもかかわらず、伐採と土地利用転換が急速に進んでいる。例えば東南アジアではインドネシアとマレーシアを中心にパーム油を生産するためのアブラヤシプランテーションが拡大しており、熱帯林面積は急速に減少している。このような熱帯林の土地利用や土地被覆の変化は、生態系サービスを大幅に劣化させる危険性がある。また、あるサービスに偏った生態系管理の結果、他のサービスを低下させるといったトレードオフ(例えば、炭素固定能を高めるために植林地帯を拡大させれば、生物多様性や食料生産が損なわれる)が起こり得るが、その影響は生態系サービスが悪化した場所から遠く離れた地域で起きる可能性もある。従って、開発と保全のバランスを考慮した管理オプションを検討するには、生態系サービスへの影響を総合的に考慮する必要がある。本稿では、熱帯林から農地へ転換した際に起こる生態系サービスの変化に着目してレビューをおこなった。また、東南アジアの熱帯林や熱帯泥炭林における伐採やプランテーション転換よる生態系サービスへの影響について、地上部バイオマスや炭素フラックスの変化に着目したまとめを行った。
索引語生態系サービス;熱帯林;変化;サービス;劣化;生物多様性;影響;減少;地域;伐採
引用文献数61
登録日2016年04月13日
収録データベースJASI, AGROLib

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