クロマツ小径木のマツノマダラカミキリの繁殖にとっての資源的有効性

クロマツ小径木のマツノマダラカミキリの繁殖にとっての資源的有効性

レコードナンバー901355論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00020532NACSIS書誌IDAN10592752
著者名曽根 晃一
冨吉 啓太
大久保 恵介
林崎 泰
平田 令子
畑 邦彦
書誌名鹿児島大学農学部演習林研究報告 = Research bulletin of the Kagoshima University forests
別誌名Res. bull. Kagoshima Univ. For.
鹿大演研報
演習林研究報告
発行元鹿児島大学農学部演習林
巻号,ページ42号, p.1-8(2015-03)ISSN13449362
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抄録鹿児島県桜島では,1994年に7年ぶりに再発したマツ材線虫病は,2004年にピーク達した後は,2009年までは徐々に,そして2010年以降急激に減少した。その過程で,2006年までにクロマツ大径木はほとんどが枯損し,それ以降被害は若齢の小径木に移行した。小径木でのカミキリの繁殖,個体群動態は,マツ材線虫病の2006年以降の変化に大きな影響を与えていると考えられた。そこで,桜島で2008年と2009年の加害で枯死したクロマツ小径木でのカミキリの産卵活動や個体群動態を調査した。産卵は,大径木と異なり,樹皮が比較的厚い樹幹下部に集中した。産卵密度も樹幹下部で高く,上部に向かって低くなった。2008年度と2009年度の産卵された産卵痕の割合(52.3%,57.3%)やふ化率(88.9%,95.1%)は,これまで大径木で報告された値と大きな差はなかった。2008年度枯死木の樹皮下死亡率は16.6%,材内死亡率は75.3%,産卵から羽化・脱出までの総死亡率は81.6%となった。また,2009年度枯死木の樹皮下死亡率は48.8%,材内死亡率は91.7%,総死亡率は95.9%であった。総死亡率は,これまで大径木で報告された値より高い傾向が見られた。これらの結果から,カミキリは小径木でも繁殖可能であるが,クロマツ小径木のカミキリの繁殖のための資源的な価値は,大径木に比べ劣ると考えられた。大径木が枯死した後,資源的価値の低い小径木でしか繁殖できなくなったことが,カミキリの個体数の減少を引き起こし,マツ材線虫病の急激な終息の一因となった可能性が考えられる。
索引語カミキリ;大径木;繁殖;小径木;クロマツ小径木;産卵;マツ材線虫病;総死亡率;マツノマダラカミキリ;枯死
引用文献数24
登録日2016年07月20日
収録データベースJASI, AGROLib

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