遺伝子型および表現型の評価から見えてきたヒト由来ビフィズス菌の優位性

遺伝子型および表現型の評価から見えてきたヒト由来ビフィズス菌の優位性

レコードナンバー901442論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00014790NACSIS書誌IDAA11125739
著者名菅原 宏祐
小田巻 俊孝
清水 金忠
書誌名ミルクサイエンス = Milk science
発行元日本酪農科学会
巻号,ページ64巻・ 3号, p.261-269(2015-12)ISSN13430289
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抄録Bifidobacterium属細菌は現在45菌種9亜種に分類されている。その中で主にヒト腸管に生息するビフィズス菌は10菌種程度であると考えられているが,その理由は明確になっていない。本研究では,ヒトに生息するビフィズス菌種Human-Residential Bifidobacteria (HRB)とそれ以外の種non-Human-Residential Bifidobacteria (non-HRB)の本質的な差異を見出すことを目的とし,HRBであるB. longumとB. breve,およびnon-HRBであるB. animalisについて比較ゲノム解析を実施した。その結果,生息環境によって特徴的な遺伝子構成を有する可能性が示された。そこで菌種特有の遺伝子を詳細に確認したところ,HRBとnon-HRBとの間には,ヒトミルクオリゴ糖等の宿主由来糖の代謝関連遺伝子および葉酸の新規合成遺伝子の保有状況に大きな違いがあることが示された。各種表現型確認試験は比較ゲノム解析の結果を支持し,HRBはnon-HRBに比べて高いヒトミルクオリゴ糖の資化能力と高い葉酸産生能力を示すことが明らかとなった。さらに,乳児型HRBはnon-HRBに比べてヒト母乳に高い適合性を示すことが明らかとなり,その適合性にヒトミルクオリゴ糖の資化能力やリゾチーム耐性が寄与する可能性が示された。本研究から得られた遺伝子型の情報および表現型の確認試験は,各菌種が独自の生息環境に適応したメカニズムを解明する上で重要な手がかりになると考えられる。さらに,HRBとnon-HRBの本質的な違いは各菌種の生存戦略のみでなく,宿主に与える影響の違いに寄与する可能性が考えられる。菌株によりビフィズス菌の生理作用は異なると考えられているが,HRBとnon-HRBの本質的な違いは,作用の違いを示す客観的な指標となる可能性が考えられる。
索引語non;HRB;違い;可能性;ヒトミルクオリゴ糖;表現型;遺伝子型;生息;ビフィズス菌;比較ゲノム解析
引用文献数51
登録日2016年07月20日
収録データベースJASI, AGROLib

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