食事性グルコシルセラミドによる皮膚バリア機能の改善と大腸炎の緩和・抑制
- レコードナンバー
- 902089
- 論文タイプ
- 学術雑誌論文
- ALIS書誌ID
- ZZ00013978
- NACSIS書誌ID
- AN00239079
- 論文タイトル(英)
- Effects of dietary glucosylceramide on the improvement of skin barrier function and the alleviation of experimental bowel inflammation
- 本文言語
- ja
- 著者名
- 川田 実生 ; 浅沼 成人
- 誌名
- 明治大学農学部研究報告 = Bulletin of the Faculty of Agriculture, Meiji University
- 別誌名
- Bulletin of School of Agriculture, Meiji University ; 明大農研報
- 発行元
- 明治大学農学部
- 巻号ページ
- 65巻・4号,p.83-93(2016-03)
- ISSN
- 04656083
- 全文表示
- PDF(1586KB)
- 抄録
- スフィンゴ脂質(SL)の代謝中間体については,様々な生理活性を持つことが報告されている。我々が口にする食品素材にもSLは含まれていることから,それらの生理効果が期待されるが,その可能性は低いと考えられている。なぜなら,食事成分として摂取したSLは,消化管内で加水分解された後に,上皮細胞に取り込まれる必要があるが,消化管粘膜の消化酵素の活性が低いからである。しかし,食事性SLが種々の生理効果をもたらすことも報告されている。例えば,皮膚炎マウスに植物性のSLであるグルコシルセラミド(GluCer)を経口投与したところ,炎症が外見的にも組織学的にも軽減されたという。この理由としては,炎症性サイトカインの生成が遺伝子レベルで抑制されたことによると説明されている。また,セラミド合成酵素や角質細胞の接着や構造に関する遺伝子などの発現も調節を受けることが示されており,このことが皮膚のバリア機能を改善した一因と考えられている。しかし,遺伝子発現を調節するためには,GluCerが加水分解されスフィンゴイド塩基になる必要があるので,やはりその活性を高める必要があると考えられる。また,実験的大腸炎に関する影響も調べられている。GluCerを経口投与した場合には腸炎の症状が緩和されたと報告されているが,動物性のSLであるスフィンゴミエリン(SM)を投与した場合には,逆効果で大腸炎を促進したという報告が多い。この理由としては,SMとGluCerでは,分解されて生じるセラミドの構造の違いが影響するものと思われる。食事性GluCerの生理効果を更に高めるためにも,また,セラミドの機能を更に広汎に評価するためにも,新規単離菌の活用等によりGluCerからセラミドへの水解を増強する必要があると考えられた。
- 引用文献数
- 58
- 登録日
- 2016年10月11日
- 収録データベース
- JASI ; AGROLib