北海道におけるブナの潜在生育域と分布北限個体群の実態

北海道におけるブナの潜在生育域と分布北限個体群の実態

レコードナンバー902830論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00007967NACSIS書誌IDAN00124077
著者名田中 信行
井関 智裕
北村 系子
斎藤 均
津山 幾太郎
中尾 勝洋
松井 哲哉
書誌名森林立地
別誌名Japanese journal of forest environment
森林立地学会誌
発行元森林立地墾話会
巻号,ページ58巻・ 1号, p.9-15(2016-06)ISSN03888673
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抄録ブナの分布北限の成立理由について8つの仮説があるが,気候決定仮説と北進仮説に大別できる。ブナの優占林と個体の分布全域の分布予測モデルによると,ブナの分布の北限・上限は冬期の寒さで,南限・下限は生育期の熱量で,優占度は積雪で,おもに規定されている。また,北海道の北部・東部の地域は,ブナ林には寒冷少雪のため,個体には寒冷のため,非生育域に入ると予測される。分布予測モデルは北海道を含む全国の分布データを用いて構築されているので,北海道の潜在生育域は過小予測になっているはずだが,日本海沿いに広がり稚内に達している。この結果は,北進仮説を支持する。将来気候シナリオに基づくと,北海道の滞在生育域の面積は大きく増加すると予測されている。これまでの研究によると,北限最前線付近のブナ個体群は過去から現在まで増加しており,将来も増加と分布拡大を続けると推定されている。2013年にニセコ山系で発見されたブナ個体群は,北限最前線より12km離れている。最高樹齢は131年で,いろいろな大きさの個体があるとともに小さい個体が多いことから,ここでもブナが増殖していると推定される。この新分布北限個体群の最初の個体の侵入時期が古いこと,周辺地域における広域の現地調査でブナが発見できなかったことから,北限最前線以北における他のブナ個体群の密度は大変低い。新分布北限地点に基づく移動速度は約12m/年である。
索引語ブナ;北海道;個体;増加;ブナ個体群;潜在生育域;予測;北進仮説;分布予測モデル;推定
引用文献数46
登録日2016年11月22日
収録データベースJASI, AGROLib

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