那須扇状地の養水分動態に及ぼす伏流水と水田の影響(2)

那須扇状地の養水分動態に及ぼす伏流水と水田の影響(2)

レコードナンバー921483論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20011749NACSIS書誌IDAN00195767
論文副題養分動態
著者名亀和田 國彦
中西 陽子
齋藤 匡彦
中澤 佳子
書誌名日本土壌肥料學雜誌 = Journal of the science of soil and manure, Japan
別誌名日本土壌肥料學雜誌 : 土壌・肥料・植物栄養
Japanese Journal of Soil Science and Plant Nutrition
日本土壌肥料学雑誌
発行元日本土壌肥料學會
巻号,ページ89巻・ 2号, p.121-135(2018-04)ISSN00290610
全文表示PDFファイル (2203KB) 
抄録前報で報告した那須扇状地および周辺流域に設定された23単位流域の各末流で表流水の養分(N,P,KおよびCl)濃度を3年4ヶ月継続的に測定し,各養分の年間流出量を算出した。同時に,水分動態モデルに養分収支を組み込み,那須扇状地の養分動態の概要を明らかにした。(1)単位流域の各養分の年間流出量のモデルによる推定値は,実測値に対して決定係数0.84から0.98の直線的関係が得られたが,回帰直線の傾きは0.6から1.4と1にはならなかった。また,調査対象全流域の末流での表流水中の各養分濃度の季節変動は良好に予測できた。(2)那須扇状地内での伏流水流入分を除く土壌および水系へのN負荷量58kgha-1y-1に対して家畜糞用+養魚が36kgha-1y-1と62%を占めた。那須扇状地の中でも特に乳牛の飼養密度が高い扇頂付近では,表層土壌中のN濃度は3.0から3.3mgL-1,伏流水のN濃度は2.6mgL-1と推定された。これらの値は,農業用水基準(T-N 1mgL-1)を超えるものの環境基準(NO3 - -N 10mgL-1)は下回った。当該地域に分布する黒ボク土は透水性が大きく,水田かんがいのための地下水利用が非常に多く,水田での脱窒量が19.8kgha-1y-1に達した。また扇状地周辺流域から森林由来の伏流水流入による希釈作用を受け,本調査全流域の末流に相当する地点23の表流水N濃度は2.0mgL-1以下の値にとどまっている。(3)那須扇状地での土壌水系1次Cl収入191kgha-1y-1のなかで化学肥料由来が125kgha-1y-1と65%を占めた。水田分布密度が高い扇央扇端域の化学肥料由来は197kgha-1y-1と高く,環境水Cl濃度には水稲への化学肥料施肥の影響が大きいことが示された。(4)表流水の各養分濃度は降水の増減に影響され,夏期に低下する傾向にあった。ただし,扇央扇端域のN濃度は夏期から秋期に上昇した。N濃度が高い伏流水の流入が夏期から秋期に多くなるためと推論した。(5)各養分負荷量に対して流域環境内での脱窒や吸着等により消失せずに末流に到達する割合は,N51%,P6%,K93%,Cl91%で,そのおおよそ60%が伏流水中に溶存して移動した。(6)調査全流域の水稲作付面積の20%を飼料作物に転換し,これに対応して乳牛飼養頭数を現状の17,764頭から32,000頭に増やすと,全流域末流での那珂川N濃度は現在の1.62mgL-1が2.07mgL-1に上昇すると試算された。
索引語伏流水;那須扇状地;末流;夏期;水田;秋期;N濃度;濃度;影響;養水分動態
引用文献数31
登録日2018年07月04日
収録データベースJASI, AGROLib

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